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久しぶりのひとめぼれ

「人は、食べた物でできている。」

「良いものを食べると心が豊かになる」

「買い物は”投票”である」


昨日放送されたカンブリア宮殿でこう力説していたのは、食のセレクトショップ「グランドフードホール」を経営する会社の代表、岩城さんであった。

それは、ひとめぼれに近い、共感の嵐だった。


「添加物を絶対にとるな、ということでなく、それが何のために使われているのか、どういう影響があるのかを知ったうえで食べることが大事。」

まさにその通りで、安全だと思って食べているものが実は危険な添加物だったり、日本では禁止されていないけど海外では禁止されているものもある。


私も、料理教室で学ぶ以前は無知だった。


たとえばうま味のもとであるアミノ酸系調味料(調味料(アミノ酸等)と表示されるもの)については「アミノ酸はたんぱく質だし体に良さそう」と思っていたし、ジュースなどによく含まれる果糖ブドウ糖液等を「早口言葉みたいだなー」とか思っていたくらいだから。(これらの影響については多くの情報が出ているので気になった方は調べてみてほしい)

これらは安価な調味料やお菓子、惣菜などの加工品によく含まれている。手間暇がかからず原料も、作る際の人件費も安価で済む。昨今の価格競争によりどうしても、価格などの制約があると安価な添加物の手を借りざるを得なくなってしまう。

(いや、けど実際安くておいしいんですよね~。スナック菓子とか安いアイスとか無性に食べたくなる時あるもん)

知識を得た今は、できる限りそれらの含まれるものは食べないようにしている。


その反対に、シンプルな材料で体に良く、「本当の意味でおいしいもの」は相対的に見て高価になってしまうことがある。

本当においしいものは手間暇がかかっていたり、作った方の想いが詰まっていたりする。なぜ手間がかかるかというと「何も省略していない」からだ。うま味には手軽なアミノ酸系調味料ではなくだしをとって使うし、甘みを付けるには砂糖など自然のものを使う。こういった「省略」の弊害は体への影響だけでなく、価格競争に敗れた「ほんとうに良いものを作っている人」の商品が売れなくなってその人たちのビジネスが立ち行かなくなってしまうこと、その結果良いものがこの世に出回らなくなってしまうことにあると思う。これは食べ物以外にも当てはまるかもしれない。


ちなみに私は栄養科卒・栄養士免許を持っているが、学科の授業ではこういったことは教えてくれない。

正確にいえば、添加物の種類や表示の規則、使って良い上限量などは教科書に載っているが、体内でどのようなことを起こすのか、長期的に摂取することによる影響、スーパーやコンビニなどで売っている身近な食品にはどれだけ使われているか、などは教えてくれない。また、一見添加物としての表示を免れるような表示方法もできるが体にとっては好ましくないというなんともずる賢い物質も多くある。

これも、社会的な背景が関わっているのかもしれない。この事実を知り、消費者が選択できるようになると必然的に添加物の入った商品は売れなくなって多くの企業が不利益を被る。

それくらい、これらの添加物を何も知らず長期的に多量摂取することは危険である。けれどもその事実を知らない人が多いために市場に出回り続ける。私たちが「安くておいしい」食品に慣れることで「適正価格のおいしいもの」が市場で負けてしまうという悪循環が起こる。


買い物は、投票である。



私たちは「自分の体に取り込むもの」についてもっと知る必要があるし、健康を脅かされるような環境になっている今だからこそそれは義務である。

もちろん今の世の中、完全に毎食良いものだけを食べて暮らすのは難しいのでうまく折り合いをつけていく必要がある。



ほんとうに美味しいものはシンプルだし、人の気持ちを動かす。

満足感を与え、心を豊かにしてくれる。


そんな大事なことを力強く、岩城社長は語っていた。

これからもそれを伝え続けてほしいし、微力ながら私も「投票」に参加していきたい。

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