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【吉良式 右脳力向上法❺】5W1H発想法でプレゼンに勝つ

どうもどうも、吉良です。

「吉良式 右脳力向上法」の5回目です。
第1回目はアイデアや企画を生むための「右脳力(創造力&発想力)」の重要性について、第2回目は「質問を自分にする」ことについて、第3回目は「状況」について質問することの重要性について、前回は状況について質問するために必要な「5W1H発想法」についてお話ししました。

早速ですが皆様に質問です。
「5W1H発想法」は何を創り出すのに便利なのでしょうか?

「5W1H」と言われてもなかなかピンとこないとは思います。
では、「いつ」「どこで」「だれが」「なんのために」「どうする」「なぜ」と言われたら少しピンときた方もいるのではないでしょうか?それでもまだピンとこない方も沢山いらっしゃると思います。

では最後に、「期間」「市場(エリア)」「ターゲット」「目的」「方法」「検証」と言ったらもうお分かりですね。そうです、プレゼンテーションシート、つまり企画書の書式とまったく同じなのです。

僕は電通時代から今までずっとこの手法でプレゼンテーションシートを創り、インパクトのあるプレゼンテーションを実施してきました。そしてこれからも実施し続けていきます。まさに「5W1H発想法」はプレゼンテーションに勝つための基礎中の基礎なのです。

今回は「5W1H発想法」でプレゼンに勝つと題して、ビジネスシーンにおけるプレゼンの場を想定して、5W1H発想法の実践的な使い方を紹介していきます。

僕と同じように広告、プロデュース、クリエイティブに携わる方はもちろんPR、マーケティング、何か商品やサービスを市場導入しようとしている営業の方、その他、自分の考えを相手にうまくコミュニケートしたいと思っている人にとっても、必要なことだと考えています。

大切な話なのでケーススタディを使い、わかりやすく説明していきます。「クライアントからのオリエンテーションを受けて商品を売るためのプレゼンテーションシート制作」という状況で解説していきます。

今回はバレンタインデー直後ではありますが、あえて時間を戻してバレンタインデーに向けたチョコレートの販売計画を例として挙げています。下記のオリエンテーションを読んでみなさんも実際に企画を考えてみてください。(本オリエンテーションの例示は架空の設定のため正しい情報ではありません。あらかじめご了承ください。)

コロナ禍により日本中の働き方が変化し、在宅ワークが恒常化し、対面という概念がなくなってきたことで「義理チョコ」の需要が少なくなってきてしまっています。デジタル化も促進されメディア環境も大きく変化しています。この状況下で、これからのバレンタインデーにおいてどのようなかたちのニュースタンダードを創造していけばチョコレートの需要増加につながっていくかを考察してください。

このオリエンテーションに対しての企画書制作をするにあたり、多くの方々はHOW(手法)を急ぎ、やたらと企画を並べるケース、ないしは僕は企画時には使いませんが、「5W2H」と語って新しい「H」である「How much(予算)」だけを念頭に置いてコンセプトやアイデアなしにひたすらメディア計画を進めていってしまうケース、があります。

しかし、その考えで作られた企画書は単なる企画の羅列になってしまったり、ただ予算配分されたメディア戦略になっていてプレゼンテーションをしても担当部署の思惑が見え隠れして、なかなかクライアントの心に届きません。

ここで必要なのが前回お示しした5W1H発想法の3ステップです。

●1ステップ
 ・When(期間)
 ・Where(市場)
 ・Who(ターゲット)

●2ステップ
 ・What(目的)
 ・How(方法)

●3ステップ
 ・Why(検証)

まずは、それぞれのステップで何を設定しながら企画書を制作すべきかを考えていきましょう。

【1ステップ】

前述の通り、1ステップでは「When」「Where」「Who」を使います。企画書の基本になる、時期、市場、ターゲットの設定はオリエンテーションの確認、企画の拡大に繋がっていきます。

「When」では時間・期間等を設定していきます。
その商品はどの時間帯に売れやすいか、期間限定にしたほうが効果的なのか、プロモーションに最適な期間はいつか等、その商品にあった時間・期間、つまり「When」を設定していきます。

日本にはバレンタインデー(2/14)にはチョコレートを贈る、という風習があるため、これまでと変わらず2月上旬~14日当日まで、とくに14日直前の連休に販売の山をもっていくように設定できます。

「Where」では市場を設定していきます。
その商品はどこで売れるか、どのような特徴があるものが売れていてどれくらいの利益が見込めそうなのか等、その商品市場を調査し「Where」を設定していきます。

最近は外出を自粛する必要が出てきたため、オンラインでの購入が増えており、昨年は5年前の10倍の売上がでているという情報を得た。また、購入者の8割が女性だった。さらに、Instagramに映え写真を投稿することがトレンドであることから見た目が華やかなチョコレートが今年は良く売れそうだということがわかった、のように設定できます。

「Who」では、ターゲットとなるペルソナの設定です。
どの年齢層に売るのか、どんなことをしている人か、社会人か学生か、性別、家族構成、居住地、性格、ライフスタイル、等、事細かに架空の個人について検討し「Who」を設定していきます。

25歳の女性で、アパレル業界で働く社会人、都心に一人暮らしでさっぱりとした性格、毎週土曜日にダンスをしていて、ご褒美にケーキを買いがち、オンラインゲームも大好き……等のように事細かにペルソナを設定できます。

【2ステップ】

2ステップでは企画書の中核、まさに企画を発想する「What」と「How」を考察します。クリエイティブ、プロモーション、メディアの連動です。

「What」では目的を設定していきます。
その商品を売る目的、つまりコンセプトやテーマを考えます。コンセプトのない商品、テーマのないプロモーションでは売る意味も理由も見出すことができません。

制限が多く晴れ晴れしない気持ちが続く今だからこそ「笑顔を広げるチョコレート」をコンセプトにチョコレートを販売し、渡す相手の笑顔が想起できるような設定をしていきます。

そして、コンセプトやテーマに合わせて「How」で手法を設定していきます。小売店、通信販売等のどのような方法で売るのか、広告出稿計画や効果的なプロモーション等、販売方法や広告手法を考察していきます。

「Where」ではオンライン販売が効果的だとわかったため、オンラインでの販売、広告はSNSで特にInstagramに力を入れておこなうこととした、のように設定できます。

この1・2ステップだけで、充分に企画を創り出す事はできますが、クライアントに対して説得力のある企画を作るためには3ステップまで考えることが重要になってきます。

【3ステップ】

3ステップは「Why」検証です。
ここまでに設定してきた事項が本当に効果的なのかを確認します。つまりデータベースマーケティングの事前実施です。もっと有効な戦略はないか等を改めて検証し、変更すべきところを修正してより効果的な企画にブラッシュアップしていきます。

確かにオンラインでの販売も増えてきていたが、実際にチョコレートを見て買いたいと考えている人が9割であったことがわかった。また、百貨店のチョコレート販売特設ブースでは、常設の販売店よりも10倍売れるというデータがあったため、販売方法をオンラインだけでなく、百貨店でのイベントも併用することに変更した、のように最新のデータをアップデートして検証していきます。

ここまでが「5W1H発想法」ですが、検証を加える時点で先ほど僕は使わないと言ったもうひとつの「H」である「How much(予算)」が必要になることもあります。検証して完成した企画には予算がどのくらい必要なのかを考える必要があります。あくまでも5W1H発想法の補完としての新たな「H」です。

「先に予算ありき」は企画スケールをイメージする上でも必要ですが、僕はいつも「予算を増やしてでも実施したくなる実現可能で持続可能な企画」のプロデュースにクリエイティビティを注力し続けていきます。大切なことはクライアントの笑顔をプロデュースすることだからです。

そのため、企画書を制作するうえでの「5W1H発想法」はとても大切で、そこに予算制限を加えることはクライアントの未来を制限しているみたいで企画書制作時点では不要だと考えているわけです。

みなさんの企画書はどのようになりましたか?

これで5回にわたって説明した「吉良式右脳力向上法」は完結します。これは吉良式というように、僕が実践している発想からプレゼンシートそしてプレゼンテーションに至る過程のノウハウになります。

皆様がこれまでの「右脳力(創造力&発想力)」向上の習慣を身につけたうえで、素晴らしいアイデアを生み、発想力あふれる企画書を創り、良いプレゼンテーションにつなげられる力になれればと思っています。

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