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女生徒/太宰治、葉桜と魔笛/太宰治、紗久楽さわ(絵)






図書館で借りてきた太宰治の短篇小説集「女生徒」、乙女の本棚シリーズ「葉桜と魔笛」を拝読しました📖´-(2022,4,17 読了)







本と写真オプチャ4月の課題本2冊目が、「葉桜と魔笛/太宰治」だったため2冊を併読。
私は、太宰治の作品自体きちんと拝読したことがなかったので、短篇小説集も一通り目を通すことにしました。
「女生徒」は、女性目線で描かれた物語14篇が収録されている短篇小説集です。


様々な女性の目線で物語が描かれているのですが、これを男性が描いていると思うと、とても不思議な気持ちになりました。
色んな年代の女性の心理をよく捉えているなと。
母にそのことを話すと
「女好きだからでしょ」と、大いなる文豪をまるでチャラ男のように言い放っていましたけれど🫣笑


単に女好きだからというよりも、太宰治は女性性が強かったのだろうと思います。
ただ、所々でやっぱりこれは男性が描いた女性だと思う箇所もあり、そこには「女性崇拝」と「支配欲」が入り乱れているようにも感じました。
女性特有の優しさ、強さ、だけど頼りなくもあって欲しい。
この両極端な感じが入り乱れるのは、根底に母親への憧れと母親を支配したかったという想いがあるのかなというのが、私の勝手な憶測。






課題本となっていた「葉桜と魔笛」は、せっかく女として生まれたからには、女としての幸せを味わい尽くせというメッセージのように感じました。
私がどこかで女としての幸せで足りてない部分があると自分に感じているからかもしれませんが。



タイトルになっている「魔笛」は、誰が鳴らしたものか色々な解釈がされているようですが。。。
私は、魔笛は幻聴ではないかと思いました。
女としての幸せを果たせなかった妹を、美しく彩って見送りたいという姉の願望が起こさせた幻聴。
妹もそんな姉の想いを静かに受け取って、心安らかになれたのではないかと。



「わかってないくせに、わかった気になる」




乙女の本棚シリーズの「葉桜と魔笛」の解説の中で、最果タヒさんがこのようにおっしゃっていました。
まさに私もこんな感じなのだと思います。
今の私が感じたことを正直に感想として述べましたが、また後に再読した時は違う感想になるのかもしれません。



昔の文豪が書いた作品は、文字の奥にあるものに思考を張り巡らせたくなる奥深さがあります。
それぞれに色んな解釈ができ、じんわり心に染み込んでいく。
これが、長年人々に愛される理由なのだろうと思います。













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