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深い河(五章 木口の場合〜七章 女神)/遠藤周作





オンライン輪読会「深い河/遠藤周作」
一章ごとに感想をまとめると公言したにも関わらず、やっぱり感想を溜めてしまっています。
現在「七章 女神」まで読了したので、今回はそこまでの感想を書いていきます。

前回までの感想はこちらから🐈‍⬛ ͗ ͗






五章 木口の場合


第二次世界大戦での悲惨な体験、戦友である塚田とのことを回想する木口。

あの時、俺たちは死に向かって夢遊病者のように歩いていた。



木口の過去は、これまでの登場人物たちと比べると最も過酷でつらいものでした。
この回は用事があって少し遅れて途中からの参加だった為、始めの方のお話を輪読会後に拝読したのですが、涙無しには拝読できませんでした。
もし始めから輪読会に参加できていたら、泣きながら輪読する羽目になったかもしれません。

この章で感じたのは、人は許されることでやっと救われるということ。
そして、戦争がもたらした闇を抱えてずっと苦しんでいる人たちがいるということ。
遠藤周作作品の所々に登場するというガストンさんがここでも登場します。
ほんの少しだけの登場ですが、彼の役割はとても大きく遠藤周作のイメージするキリストを伺い知れるよう。



六章 河のほとりの町


いよいよインドに到着した御一行様。
旅行者それぞれの想いが交差し、美津子と深い関わりをもつ大津の現状もちらほら。
ここでもやはり美津子に感情移入する場面が多くありました。

愛が燃え尽きた愛の火種のない女


美津子の闇が思いの外深い。そんな美津子の闇を大津は遠くにいながら見抜いています。
美津子の闇が光で包まれる日はあるのかが気になるところです。

我々の一生では何かが終わっても、すべてが消えるのではなかった。

磯辺の言葉




それぞれの中にある消えないものをどうやってこれから浄化していくのか。
その答えがインドにあるのかもしれません。



七章 女神


まず磯辺の結婚生活の振り返りからこの章の物語は始まります。
いや、磯辺!あまりにも酷い夫ではないか。
美津子の場合と同じくらい輪読会仲間さんの間でざわつきが起こりました。
The昭和の男という感じで妻に母を求め、妻に感謝するどころか裏切り行為をはたらいたり、コミュニケーションを取らなかったりまるで自分勝手な酷い有様。
一章では愛ある言葉に思えていた「生まれ変わるから探して」という妻の言葉がここにきて呪いの言葉だったのではないかという輪読会仲間さんの言葉に一同納得。


そして、ガンジス河へと来た御一行様。
今回も旅行者それぞれの想いが入り乱れながら物語は進んでゆきます。
インドの女神チャームンダーがインパクト大で、なんとなくキリストと重ねて描いてあるように感じました。

彼女(チャームンダー)は印度人と共に苦しんでいる

ガイド江波の説明より



まだよく分かっていませんが、遠藤周作の想う神とは私たちと共に苦しみ全てを許してくれるような存在なのでしょうか。
そういう存在がそばにいてくれたら心強いですね。
今最も私が必要としているものかもしれません。





さて、次回の「深い河」輪読会は1/7㈰。
この日はお店が営業となってしまったので残念ながら参加できませんが、1/14㈰に図書館で開催される「深い河」読書会に参加することにしているのでここからは1人で読み進めるとします。





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