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こんにちは、赤ちゃん。

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#帝王切開

帝王切開について



 病室で一晩明かしたのですが、つい数時間前までこれでもかというほど出っ張っていたおなかがすっかり跡形もなくなっていること、寝返りを打てないほど手術跡が痛むこと、水が飲めなくて氷を舐めていたこと、同じ部屋で夫が寝ていること(見えないけど)、ほんの少し歩いた先の保育器に息子がいること、なのにまだこの腕に抱けていないこと、あらゆる事実が現実ではないような、ぼんやりとした一晩でした。麻酔の副作用?みた

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7月9日【4】



赤子がおなかから出て来て対面を果たすと、次はおなかの縫合です。夫は退出し、私は再びされるがままの状態に。無事、元気に生まれてきた赤子の姿が見られたため緊張の糸は切れ、ある種の安心感がやってきていました。そんな私の心を占めていた気持ちは、縫われるってどんな感覚なのだろう、ということ。切られるのと同じくらい縫合にも興味があったので、麻酔で感覚はないけれど、できるだけされている感覚を拾おうと神経を研

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7月9日【3】



夫が手術室へ入ってくると、平然と私の右頭上のあたりに促されるまま座りました。なんかもっとひるんだりびびったりすると思ったのに、おもしろくない。座って割とすぐ、そろそろ出て来るから携帯で撮ってもいいですよー、とのこと。おー、帝王切開の現場を携帯で撮影できるのか!と驚きながらも、自分の内臓は映りませんように、と願いました。まあ、映りませんよね、普通。

そんなことを思っていると、「ちょっとおなか押

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7月9日【2】



夫と母には外へ出てもらい、手術の準備開始。ついてくださっていた助産師さんも帝王切開経験者らしく、雨の日は今でもちょっとしくしく痛むことがあります、とちょっと世間話をはさみつつ。分娩室でされたことは、下の毛の剃毛。カミソリでジョリジョリと剃られました。大きいおなかがあるのでどの程度剃られているのかは見えず。これから子を産むというのに、分娩台で毛を剃られている光景はなんだかマヌケな感じがして、少し

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7月9日【1】



明け方になるにつれ、なぜか陣痛の間隔が空いてくるようになりました。眠れる時間が少しでも長くなることは嬉しいけれど、果たしてこれはいいのか?よくないよね?赤ちゃんの心拍を確認してもらうと、問題はなさそうで一安心。子宮口チェックをすると、まだ開いてはいないけれど、頭は触れる、と助産師さん。赤ちゃんも頑張って出てこようとしてくれている。そう思うと超絶疲れてはいるものの、母ちゃん頑張る!という気持ちに

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7月7日【1】



前日とは比べものにならないほど痛みは増してきてはいるものの、結局朝になっても間隔は縮まらず。ろくに寝られなくて疲れたし、お散歩しようなんて気持ちにもなれないけれど、少し歩くと変化があるかもしれないと気持ちを奮い立たせ、近所のパン屋さんに朝ご飯を買いに行くことにしました。パン屋さんに着くまでにも痛みで立ち止まり、パン屋さんの中でも痛みで固まり(やはり歩くと間隔が縮まる模様)。そんなに広くない店内

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