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小説っぽいやつ

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小説っぽいやつです。
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#恋愛

僕は雨の日だけ、彼女に会うことができた。

僕は雨の日だけ、彼女に会うことができた。

僕は代々木で総武線に乗り換えて職場に向かっていた。
いつも通り、365日のうちの240日くらいは同じルートをなぞっていた。

いつもと変わらない通勤ルート、満員電車、加齢臭、汗臭さ、数少ない座席の椅子取りゲーム。

違ったのは、今日が雨の日だと言うことだけだった。

雨の日なんて、むしろ不快で最悪。いつもの面積が傘を持っているだけで圧迫されるし、
義務感でセンタープレスをかけてきたスーツも濡れるし

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僕が1番楽しみにしているのは、アカデミー賞作品でも、話題の恋愛映画でもなく、

僕が1番楽しみにしているのは、アカデミー賞作品でも、話題の恋愛映画でもなく、

昔から何をやっても中の下か、良くて中の上くらいだった。
親に入らされた少年野球は義務感で通っていたし、
運動会のリレーは出番なんてあるばすのない補欠、もしくは補欠のまた補欠。
がんばってるのに、「がんばろう」ばかりの成績表。

高校は第一志望の公立高校に落ちて、名前だけ書いたような推薦入試で受かった私立に進学した。
友達はいたし、学校はつまらなくはなかったけど、
県大会で名前を残すくらいの、そこそ

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