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何故絵画は数億円で取引されるのか?

絵画が数億円単位で取引されると、
あたかもその作品がとてつもない素晴らしいものなのだろうと思える。


だが、この作品自体に数億円の価値がある、つまり実体があると考えてしまうのは、

「錯覚」なのではないかと思うようになった。


なぜ絵画が数億円で取引されているかは、アート特有の投資の仕組みを考えるとわかりやすい。

投資の仕組みはどのようなものか。

アートの投資の仕組みは、株式投資とは大きく異なっている。絵画は、一度上がり始めたら値下がりすることはあまりない。

そして、数十年の間で何百倍、何千倍と値上がりする。


多少高くてもオークションなど、市場で取引されている絵画を買い、さらに高い値段で買いたい人が現れたら売ればいい。

その繰り返しで、オークション市場に出回る絵画はどんどん値上がりする。


他方で株式投資では、会社が潰れてしまったら株は紙切れになってしまう。


また上場株の場合、絵画のように何百倍と価値が跳ね上がることは少ない。


絵画では、既に市場で取引され始めている絵画(いわば上場後)でも、何百倍と跳ね上がる可能性がある。

また、世界のトップの資産家にとって承認欲求、つまり名誉とは何かを考えると、なぜ数億円でアートが取引される必要があるのか見えてくる。


わたしは、大富豪ではないので、あくまで想像だが、サザビーズなどのオークションで数億円の絵画を落札することは、世界から注目されることに繋がる。

世界で注目されるには、数億円単位の金額が取引されたという事実も必要なのではないかと思う。

世界へ文化人として名の知れ渡ることは、資産家にとって名誉的なことなのかもしれない。

また、ニューヨークなどでは、資産家たちはホームパーティーをよく開催する。その際に、自宅に現在世界注目している絵画があるということはステータスであるのだと思う。ホームパーティーでゲストやほかの人に楽しんでもらい、自らを芸術に理解を示す教養人として示すことで、資産家同士の友好な人間関係を保つことができるかが大切なのだと思う。

結論、作品に数億円の価値があるというより、もしかすると投資家や資産家にとってと数億円で取引される絵画が、必要なのではないかと思う。

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