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GOOD WAR TOUR 7. 部屋がないんだ 


もっと人と喋りたいってのは、かなりストレートで、かつかなり根源的なメッセージだなと思った。伊奈さんにお似合いのせりふです。

綾子さんいい顔してるな。

今日は朗くんが仕込みで東京にいるため、LINE電話を使ってのオンライン稽古。
のはずが、部屋の鍵が開かない。大奮闘。
いつもどれだけ朗くんに任せきりだったか、身に染みました。

全然開かない。結果的に、訳のわからないまま偶然開いた。

昨日夜中、伊奈さん綾子さんに朗くんから電話があったとのこと。
「えっ俺きてないけど」と諸江さん。LINEは一行だけ来たらしい。
朗くんが言うに、「諸江さんはもう寝ると思って」。早起きだからね。

19時半から、LINEのビデオ電話をこまばアゴラ劇場に繋いで通し稽古。
画面の向こう側には朗くん、まをさん、辻さんがいた。全員黒っぽい服を着ていて劇場空間と一体化している。

通し中、こちら側、目の前に実在する綾子さん、諸江さん、伊奈さんを見ながら、同時に画面の向こう側でじっと画面を見る3人を見ていた。

伊奈さんが「ドラムスティック入れるやつ」を貸してくれたのでいい角度で固定できました。

ストーリーの流れはないが、空気の流れはある、と思う。
美術館で、次の部屋へ、次の部屋へ、展示空間を巡っていくような。

表情豊か。

通しが終わって、画面の向こう側の朗くんが言う。
「日々の断片が積み重なっている。」「他のところに思いを馳せることができたので良かったと思います。」

LINE電話を切ってから、こちら側、四人で話し合いをした。

3年前にインタビューした人も人生が動いている。変わってゆく。
連絡もとれなくなった人、結婚して子供が産まれた人、仕事をやめた人、引っ越しをした人。
私も3年前とはずいぶん状況が変わった、ような気がしている。

記憶を辿ること、思い出そうとすること。
遠くに思いを馳せること。
そういう余白のある作品になっているととてもいいなと思いました。


稽古11回目
日時:2021年12月21日(火)
出席:伊奈、諸江、渡辺、田中
場所:京都芸術センター 制作室4

本作は2021年2月に京都で上演された『GOOD WAR』のリクリエイションを行い、大阪と東京で公演を実施します。

『GOOD WAR』は、私たちが「あの日」と聞いて想像する争いと日常で構成されています。
私たちは生きている限り、これからも誰かと戦い続けなければいけません。現時点で戦っていなくても、生きている限りいつか争いに巻き込まれます。『GOOD WAR』ではいずれ来る「その日」と、過去にあった「あの日」との向き合い方を鑑賞者と共に考えるべく、だれかの「あの日」で集積された記憶のモニュメントとして演劇作品を立ち上げます。

GOOD WAR

原案 『よい戦争』(作:スタッズ・ターケル 訳:中山容 他 1985年7月25日出版:晶文社)
構成・演出 河井朗
ドラマトゥルク 蒼乃まを、田中愛美
出演 伊奈昌宏、諸江翔大朗、渡辺綾子
美術 辻梨絵子
音響 おにぎり海人、河合宣彦
照明 松田桂一
制作 金井美希
制作協力 (同)尾崎商店、黒澤健
衣装協力 MILOU
記録 田中愛美

日時・会場
2021年12月25日(土)〜12月26日(日)|こまばアゴラ劇場
2022年1月26日(水)〜1月30日(日)|クリエイティブセンター大阪 Drafting room(名村造船所跡地)
2022年2月10日(木)〜2月15日(火)|北千住BUoY


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