![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128650234/rectangle_large_type_2_a7ea13483115ded73947fa117d3e2bb3.jpeg?width=800)
秋の知らせ
遠くに聳え立つ木々は、とても姿勢が良かった。
身に纏っている葉っぱの衣装は、少しずつ秋色へと衣替えをしている。
オレンジ色の太陽は、私たちを優しく見下ろしては、あたりを照らしていた。
地面の形状に合わせて連なるススキたちは、秋の少し冷たい風に吹かれ、
ゆらゆらと揺らいでいる。
まるで優しく微笑んでいるかのようだった。
太陽は優しかった。
空気は冷えていた。
森の中の少し湿った土のような匂いがした。
Apple Musicで ”morning” という名前のプレイリストを
シャッフル再生しながら、朝ご飯を食べた。
生きている心地がした。
今を生きている感じがした。
耳の辺りでブンブンと音が聞こえた。
ドローンが近くで飛んでいるかの様だった。
芝生の上で寝転ぶ彼は、
「土の上で寝るのはいいよ。」と言った。
穏やかで優しい顔をしていた、とても幸せそうだった。
呑気にあくびをしていた。
人間らしさを感じた瞬間でもあった。
あたりは無音の世界で広がっていた。
太陽は、優しく私たちを包み込んだ。
目の前をトンボが飛んでいた。
それは紛れもなく秋の訪れだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?