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「心の声」に従ってニートになる〜独立に至るまで(3)〜

こんにちは。ナチュラルライフコーチとして、自然体で豊かに暮らすためのインスピレーションを発信している岡野真弥です。今回は独立に至るまでの第三弾を書いてみたいと思います!

前回までの記事はこちら↓

秘書時代の苦悩

晴れて秘書への転職が決まり、外資系の企業でゼネラルマネージャーと営業マネージャーのアシスタントを兼務することになった。「転職1年目は新入社員1年目と同じ」と言われるように、スキル、英語、共通言語、仕事の進め方、組織カルチャーなどをゼロから習得していく必要があった。

新卒からはコンシェルジュやブライダルコーディネーターとしてホスピタリティの現場にいたので、「社会人の基礎スキルが自分にはないのだ」という不安・焦りも強く感じていた。


業務内容は、多岐に渡った。毎日の売上分析とレポート、売上アップのための施策提案、各部署とのコミュニケーション、資料作成、MTG準備、現場訪問、上司のスケジュール調整やレストラン予約、電話・メール対応、手土産用意など、初めてのことばかりだった。

いつ誰から何を聞かれてもすぐに答えられるように、あらゆる情報を整理しておく必要があったし、書面上は英語のやり取りがメインだったので毎日てんやわんやしていた。

特に、それまで全く触れてこなかったエクセル関数を使いこなすことに苦労した。「これを作った人の頭の中はどうなっていたのだろうか。。」と感心しながら、休日は毎週のように、知人から教わったり本を読んだりしながらエクセルとにらめっこしていた。


転職して約5ヶ月後、営業マネージャーが会社を長期でお休みされることになった。2人体制でやっていたので、業務量が増えること以上に、1人で担うという状況は大変心細く、プレッシャーだった。

でも、せっかく少しずつ業務にも慣れてきたし、他部署のメンバーも親切にサポートしてくれている。恵まれた状況に感謝して、私が頑張らなきゃ!と気合を入れた。

再び崩れた心身のバランス

繁忙期だったことや相変わらず慣れない業務に時間がかかっていたことにより、終電近くまで働く日も増え、無自覚の疲れやストレスが溜まっていった。

どのようにケアすれば良いか分からず、仕事後や休日は、とっておきのご褒美スイーツや焼肉を食べる、お酒を飲む、マッサージや整体を受ける、サプリメントやエナジードリンクを飲んでみるなど、とりあえず気になっている健康法を試したり、一時的な現実逃避に走っていた。

気がつくと顔や首にアトピーのような湿疹が出始め、月経周期は乱れ、PMS(月経前症候群)で涙が出たり、身体が重だるくて起き上がれない日も出てきてしまった。


心と体はリンクしているもの。そんな時は決まって心のネガティブな声も聞こえてきた。

「あなたの社会人スキルが低すぎるのが原因だよ。もっと努力して、スキルアップに励むべきだ。」

「新卒で社会人の基礎スキルがつく仕事に就くべきだったんだ。キャリアの失敗だ。」

「上司はあなたに期待をしていたけど、今ではきっとがっかりしているだろう。」

「前回の会社もうまくいかなくて、また今回も?自分には社会に適合できない、何か欠陥があるんじゃない?」

自分の中のもう一人の自分が自分を虐待し、いつの間にか心まで蝕まれていった。

心の声に従ってみる〜植物療法との出逢い〜

自宅と会社の往復で精一杯の日が続いていた。どんどん状況が深刻になっていったので、病院に行った。睡眠導入剤、ホルモン剤、ステロイドなどそれぞれの症状に合わせてお薬が処方された。確かに、眠れるし、アトピーは治まってきたし、PMSも和らいできた。でも活力は湧いてこなかった。


と同時に、こんな声も聞こえ始めるようになっていた。

「自分の人生はこのままでいいの?」

「魂燃やして今の仕事を続けたいの?」

「あなたは何のために生まれてきたの?」

「明日死んでも後悔はない?」

ある日、フラフラしながら会社から帰宅している途中、電車を降りた瞬間に、スマートフォンの液晶画面に「植物療法」「自然治癒力」という言葉が飛び込んできた。友人のブログだった。

その瞬間、頭の中で何かが反応し「ピカーン」と光った。

「植物を活用した療法なんてあるんだ!きっとこれだ!私が探して求めいたものはきっとここにある!まずは植物の恵みで自然治癒力や自分のエネルギーを高めたい!」


思えば、幼少期から色々な生きづらさを感じてきた私は、祖父母が住む静岡県の山や川、海、植物の恵みに触れると、なんとも言えない安心感に包まれて、生きるエネルギーをもらっていた。祖父は自分の小さな畑で色々な植物を自然栽培し、喉が痛くなれば金柑を、元気を出したいときは紫蘇ジュースを、と自然の恵みでケアをしてくれた。

駆り立てられるように友人に連絡し、植物療法が学べるスクールを紹介してもらい、翌日には体験講座にエントリーした。そこから最短で学べる講座に通い始めた。

優しい木の温もりがある教室で、植物を見て、触れて、飲んで、香りに包まれる時間は至福のときだった。

「はぁ〜心地良いな、何だか内側からほぐれていくし、同時にエネルギーも湧いてくる」

こんな感覚、いつぶりだろう?


生き方を180度変えた、大切なメッセージ


植物療法の初回の授業で、先生がこんなことを仰っていた。

現代人は周囲の助言、命令、期待など、周囲の価値観に沿うことに慣れていて、「すべき」を優先して生きています。つまり、「したい」という心地よさを後回しに生きているのです。「心地よさ・気持ちよさ」を取り戻せば、私たちが生まれながらに持っている、心身を健全に保つ能力=自然治癒力が働くようになりますよ。

目から鱗だった。

自分の「したい」を優先するのは、自己中心的で、協調性がなくて、悪いことだという思い込みがあった。周囲のため、社会のために生きていれば、いつか報われるだろうし、それこそが幸せな生き方なのだと思っていた。

でも、自分のことも大事にしてよかったんだ。


また、それまでは、色んな症状を起こす自分の身体を恨み、一刻も早く治したいという気持ちでいた。でも、本来私たちは、自然と良い方向にいこうとする力を内に秘めていたのだ。ただ自分の身体の声を聞いて、寄り添って、サポートしてあげれば良いのだ。こんな大切なことに気付けないまま、無理をさせて、心身をいじめてきてしまった。「今までごめんね」と思わずつぶやいた。


ニートになる決意

体の症状は、発症するまでにかかった時間と同じだけ、治すのにも要するとも言われている。私は長い間不調を放置してしまったので、当時はけっこう重い状態だった。

もっと早く知りたかったけれど、幸い命はあるし、植物のおかげで内側からの生命エネルギーを取り戻してきた実感も確実にあった。

そして、同じように苦しむ方を増やさないために、セルフケアの大切さをみんなに広めたい!という使命感と希望に満ちていた。


もう意思は固かった。両親にも伝えてみた。

「私、会社を辞める。ようやく本気で学びたいことが見つかった。ゆくゆくは仕事にしていきたい。とても奥が深いので、しばらく勉強に集中しようと思う。」

するとまた、自分の心の声が聞こえてきた。


「会社に行くだけでお給料がいただけるなんて、何てありがたいことなのか。勉強と両立すればいい。何も辞めなくてもいいじゃない」


「せっかく大学までいかせてもらったのに、親に心配かけるつもり?」


「植物療法?そんなに知られていないと思うけど、食べていけるの?どんな仕事に就くつもり?」

「ニートの知り合いなんて周りに誰もいないよ!恥ずかしい。友達には何て言うの?きっと笑われるよ。」

「一度社会のレールから外れたら、再就職は難しいんじゃない?」


でも、私の決意は固かった。もう時間がなかった。

人生は有限だ。1秒1分も無駄にせず、自分が魂を燃やして取り組みたいことが見つかったのなら、まずはやってみればいい。学んだ先に、大切な真実があるかもしれない。先のことは分からないけれど、何とかなるはずだ。やってみて仕事にならないなら諦めて、何かアルバイトでもすればいい。死ぬわけじゃないもんね!

自分に言い聞かせた。

ここから約1年間、私は遊びの誘いも断りスクールを掛け持ちしながら勉強に励んだ。興味の幅はどんどん広がっていって、植物療法に加え、漢方・薬膳、食事療法、ヨガ・瞑想や世の中の社会構造にまで及んでいった。

続く♪

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