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嘘をついて求められるくらいなら

就活についてあれこれ考える中で、ある一つのポリシーに行き着いた。

自分にだけは嘘をつきたくない。

一つと書いたけれど、むしろこれしかないくらいには大事にしたいことだと思っている。

仮に私に働きたいという意志があるとして、だとしたらもちろん、自分が心から働きたいと思える企業を選ぶだろう。自分の人生の大半をそこに費やすかもしれないのだから当たり前だ。

あくまでまだ就活のしの字も始めていないペーペーの戯言なので、軽く読み流していただければ。でももし誰かの心に響いてくれたら、これ以上のことはない。



不可解なことに世の中には、頂いた内定の数を誇りそのメソッドをドヤ顔で教授したがる人間というものが存在する。就活界隈なんてものを覗いてみるとそんなのがごまんといる。私が絶対に就活垢を作りたくないと思う理由の一つだ。

そんなに内定を頂いて、何がすごいんだろうか。最終的には1社を除いて全て裏切るというのに、自分が裏切る相手プラス1の数をそんなに堂々と誇っていいものなのだろうか。

裏切るという言い方は正直よくないけれど、でも実際そうじゃないか?
だってその人たちは、内定の数を誇りたいがために御社が第一志望です云々などと虚言を吐き、相手方はまんまとそれに騙された、つまりそういうこと。

実際本人の能力は高いのだろう。だとしてもだ。
ぶっちゃけ彼らは、”たくさんの企業に求めてもらえる僕”のことしか見えていないなと思う。

企業側だってこの人となら仕事をしたいと思って選んでくれたはずなのに、当の選ばれた本人はその企業を、就活ゲームの中の単なる数字としてしか見ていないような気がする。私の想像に過ぎないのは前提として。

本当に自分がそこで働きたいと思えるのか、そのビジョンが見えるのか、せめてそこまで想定した上で受ける企業を選ぶべきだと私は思う。

最終的に自分を選ぶのは企業だけれど、最初に企業を選ぶのは紛れもなく自分自身だ。


「御社が第一志望です!」と差し出される数えきれないほどの手。企業はその中から一つ、あるいはいくつかの手を選びとる。選ばれなかった人たちは後日お祈りされて終了。これが就活というものらしい。

もし本当は第一志望じゃなかったとして、その旨を相手方に伝えた場合。まあ間違いなくお祈りコース一直線だろう、知らんけど。しかし肝心の本命がだめだったらと思うと、第一志望でない御社にも媚びを売らざるを得なくなる。生きていくためには必要な嘘もある。これは仕方ない。

ただし、その相手は第一志望の次か同程度には働きたいと思える企業でなくてはならない、と思う。自分が働きたいと思えるかどうか、何よりもその意志を大切にしたいのだ、私は。

とにかく職が欲しいからと、そこまで興味のない企業にも手当たり次第でぶつかっていく就活。きっとその作業は重く苦しい。だって働きたいという意志もないのに、面接では「働きたいです」「働かせてください」と偽りの自分としての面持ちで口にしなければいけないのだから。


自分に嘘をつくことは、おそらく生きている中でどんなことよりも苦しい。自分が心から求める相手に選んでもらえなかったその苦しさよりも、ずっと大きな負荷がかかるはずだ。自分の本来の希望を見て見ぬふりして嘘で塗り替えてしまうことは、悲しい。

この世に本当に働きたいと思える企業があるのなら、それを見つけるために私はやれるだけのことはやるつもりだ。そして行きたい企業しか受けない、つもり。

それでもしどうしても相手が見つからなければ、私は就活を諦める。自暴自棄の数撃ちゃ当たれな就活だけは、したくない。嫌なことはやりません。自分本位かもしれないけれど、だって自分の人生は自分のものだから。

自分に嘘をつかない。選ばれる就活じゃなくて、選ぶ就活をする。この姿勢でさえいれば、少しはハードルが低くなるかもしれない。今のところ私は労働そのものをしたくないので、まずは土台から固めていこうということで。

働かずに済む道があるのなら、もちろん喜んで飛びつくだろうけれど。


おまけ:これにはなりたくない(私の就活イメージ通りで最高)



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