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スクールカーストの経験が培うものは

*前回の記事に続きになります。

さて、そんな彼女の二つ目のお悩みは
「彼が順調に生きすぎていて、本当に優しくはないのではないか」問題。
彼女の婚約者の彼は、田舎のちいさな町に育って、
小学校のクラスも少なく、みんな顔見知り、みんなで仲良く大きくなるというような学生時代を過ごしたようでした。

そういう学生生活、わたし結構憧れるんですよね。
わたしも社会人になって数年は地方に暮らしていたのですが、仕事の合間に山の方に行ったときに見ず知らずの私に「こんにちは~」と爽やかな笑顔であいさつしてくれる子たちがたくさんいて「本当にこういうのってあるんだ~!」と感動したのを思い出す。
でも、そういう子たちのほとんどは、田舎の学生生活に嫌気がさしていることも多くてほとんどの子たちは大学入学を機に上京するようでした。
私は高校の時、学校帰りにプリクラとって、パフェ食べ放題とかして楽しんでいたけど、
でも、季節とともに登下校の道の木々の色が次第に変わっていく様子とか、顔見知りの人が近所に沢山いて、ぎすぎすした空気がない所とか、そういうのも憧れたな。

都会暮らしが肌に合っている人もいれば、田舎暮らしが性に合っている人もいて、
わたしは全国転勤の仕事についているので今は東京に住んでいるのですが、ここはここでもちろん楽しい。あんまり住むところにこだわりがないタイプなんだと思います。

話を戻すと、
友人の彼は、そんな所でもちろんスクールカーストを経験することもなく、クラスにいじめがない学校生活を過ごし、そのままその土地で社会人になった。周囲は彼を小さい時から知っていて、みんな大事にしてくれる。そんな今だそうです。

わたしはこれを聞いたとき、素直に「いい人生じゃないか」と思った。
「苦労は買ってでもしろ」とはよくいいますが、わたしはどうしても「つらいこと、しなくていいならしなくていいじゃん…」と思ってしまう。得られるものはたくさんあるんですけどね。
想定より順調に事が運ぶときがあった時、
「本当はこんなに順調じゃないはずだよな。こういう時に本来は苦労があったっていうことを忘れないようにしよう」とたまに思う。
そして、そうやってしなくていい苦労はしなくていいじゃんって思ってしまう。
とはいえ、ちゃんと人生には帳尻が合うことも多くて、しんどいときも、うれしいときも、ちゃーんと自分に降りかかってくるんですけどね。笑

で、
わたしの友人は都会で学生生活を過ごしてきた。
スクールカーストは当たり前にあったし、クラス内ではいじめもあったようだった。そういう環境で揉まれながら、時に傷つきながら大人になったようだった。
大人になって、彼と付き合い、幸せな日々を過ごしているようだったけど、例えば何かが起こった時とか、ニュースを見たときに彼との意見の相違がたまに起こるようだった。何かのニュースが起きた時にそのまま受け取ってしまい、その背景を想像できないようだった。「難しいんだけど、わかりやすくいうと優しくないんだよね」
と彼女は言う。そして、こう続けた。
「多分、自分の力ではどうしようもないこととかについての想像力がないというか、経験してないからその部分が優しくないんだと思う」。

幼い頃の環境って、選べない。
生まれた地域、親の職業。大人になれば自分で選択できることも増えるけれど、多感な時期、つまり自分の感性や想像力を養う時期は、自分の力でできることは少ない。
大人になった時に、自分がたどってきた世界でしか物事をはかれないこともあるなと思う。これはもちろん、自戒を込めて言うんですが。

大人になって、そういう想像力ってどう養ったらいいんでしょうね。結局はそれぞれが意識するしかないんだと思います。
例えばですが、LGBTQとか、職業でいうとyoutuberとか。印象で嫌う人ももちろんいると思う。
少し違う方向性でいうと、私の両親は「転職はしないほうがいい」「結婚ははやくしたほうがいい」とか。聞いてる娘の立場からすると、「古いなあ」と思うこともあるのですが、適度に聞き流してうまくやっています。

わたしが思うに、大人になってそういう想像力を養うには、
やっぱり本や漫画を読んだり映画をみたり、趣味などで何かのコミュニティに入ったり人と接して会話をしたり(リアルでもオンラインでも)。
そういうのでしか育めないのではないかと思ってしまう。

人でも、人が生み出した何かでも、意識的に触れ合い、自分の世界を広げ、相手の気持ち(表現物の背景)に思いを馳せるしかないのではないかと。

そうしないと、意図せず、大事な人を傷つけたりしてしまうリスクだってありますしね。

でも単純に本や漫画でも、noteでも、気軽に触れ合える環境が現代にはある。
だから決して、悲観する今でも未来でもない。
少しずつこつこつと、やりたいことと、今目の前にすべきことを着実にやっていけばいいんだと思います。

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