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「なかなか結婚話が出ない」のモヤモヤをぶったぎって結婚した話

「ちっぽけなプライドが邪魔をする」というものの良き例として、
「結婚話を男性側からしてほしい」というのがわたしの中であった。

もちろん、女性から結婚の話題を振って、女性から結婚をもちかけるパターンもあるし、結局そちらの方がスムーズに事が運ぶことのほうが多いように思う。実際、わたしの同僚は女性側から「結婚しない?」とストレートに伝え、とんとん拍子に進んでいった。

わたしたち夫婦は付き合って4年で結婚。2年を過ぎたあたりから、周囲の人たちから「結婚は考えているの?」と聞かれることも多くなった。
実は、結婚するぎりぎりまでわたしたちは結婚の話をしなかった。

付き合って1、2年のときはお互いが全国転勤の仕事に就いていることもあって「将来どうなるんだろうな」とは思いつつ、今すぐ結論を出す話でもないと思い、結論を先送り。
わたしは一度、東京で働いてみたかったのもあったのでとくに話を振らなかった。話をふって「結婚するつもりはない」と言われてしまうのが怖かったとも言える。もしそう言われたとして、将来一緒にいないとして。じゃあ今一緒にいる理由は?と考えたときに「ただ一緒にいたい。好きだから」という素直で、真っすぐな答えを出せるほどの年齢でもないのかもしれない、と心の奥で思っていた。学生だったら、そういう反応も出来たのかもしれないけど。

でも今振り返ると、結婚の話とかもっと自分からしても良かったのかもな、と思う。
なぜなら、私は「結婚するなら彼がいい」と思っていたから。もしその後にとっても魅力的な女性にとられたとしたら「結婚の話とかでもう少し意識させときゃよかったのか?」とそこに後悔を抱くことになったからだ。もちろん、わたしより魅力的な女性になびいた場合、「そんな男性なんていらねぇ」と突っぱねることもできただろうけど、現実問題として、わたしの方が彼のことを好きだったから後悔が残るという点でダメージは大きかっただろう。

そして、付き合って3、4年目になり、遠距離恋愛となった時にわたしの気持ちに変化が訪れた。結婚というものにより一層憧れを抱くようになった。
このまま一人で働いて、楽しく生きていくのもいい。でも、結婚した時の人生ってどんななんだろう?と気になった。今付き合っている彼の将来も見てみたいなと思うようになったのだった。

でも、自分からなかなか言えない。情けないけど、本当にちっぽけなプライドが邪魔をして、「結婚はしてもしなくてもいい」なんて周囲に返事を続けたときもあった。
本当は結婚したくなってきていたのに、その心の変化に自分でフタをしていたのだった。
そしてその気持ちが募っていった結果、次第にこう思うようになる。
「もし彼が結婚したくなかったり、今のわたしと結婚したくないと思っていた場合、わたしの人生ってどうなるんだろう。今よりもっと結婚したい気持ちが膨らんだ時に、ものすごく焦りそう」。

でもそういう結婚の話って、できたら男性側からしてもらいたい。
男性側からじゃないと、あんまり大事にされないんじゃないか(恋愛本立ち読みからの屈折した考え)。

てなわけで、そういう気持ちがむくむくと膨らんできたわたしはある日、強硬手段にでる。

その日、わたしは長時間労働の後に会食という日だった。疲れた体にほんのりお酒が入ったわたしは夜中に電車のホームで電話をかけ(酔ったとはいえなかった。お酒に頼っているという大義名分が欲しかったのだと思う)
「なんでこんなにしんどいときに隣にいないわけ!?!?」と電話越しに半ギレした。

こわい。夜中に電話して、とんだ迷惑電話。友達によったら友達やめられてそう。
案の定、彼はわりかし狼狽したようで
「ごめん」と謝った。よく考えて言葉を発する、というより私の勢いにつられて謝ったという感じだった。

謝られ、わたしは半泣き状態で「今部屋で倒れたとしても、見つかるのは『翌朝出勤してこないから』という理由で会社関係者がわたしを見つける。その時にはわたしは手遅れだ」というよくわからないが、要約すると「一人は不安だ」ということを語った。
駅のホームでわたしは、「やっぱり結婚したいんだ」と電話しながら強く思ったのだった。

そして強く、こう思う。
「こんな状態のわたしを助けて上げられるのはわたしでしかない。わたしがわたしを助けてあげなくてどうする」!!!!!!!

そこからのわたしは見違えるように変わった。
彼氏に1日1ラリーのLINEで(過去記事あるのでよければ)「わたしは将来も一緒にいたいと思ってるよ、●●はどう思ってるの」だの、「二人のこれからのことはちゃんと考えてくれてるの?」だの書いた。これでフラれたら悲しいけど仕方ない。だって今は彼と家族でもないのだし、今一番わたしがわたしを動かして、せかしてあげないと。

それまで一切結婚の話をしていなかった反動もあるのだろうが、彼は多分なにかしら感じ、結局わたしの住んでいる場所に異動希望を出してくれ、そして結婚という選択肢をとってくれた。よく言われるが、これがゴールではない。これが正解というわけでもない。

つまり何が言いたいのかというとだな。
自分を幸せにしてあげられるのは自分しかないんですよ、結局。

そして、その自分に暗示をかけるようにみえないようにフタをしたり、聞こえないようにしたって結局ごまかせないのだ。どうにもひずみが出てしまう。わたしはふたをしばらくしていたけれど、思ったより自分のコップが浅くてあふれ出て上記のような強硬手段に出てしまった。

でも、どんなにフタをしても、相手からこないとき、自分から手を伸ばさないと何にも始まらないし、結局自分がつらいんだよね。
もし気持ちにフタをしながらも、どうにも気になっていることがあるとき。
ちっぽけなプライドでなかなか前に進まないとき。
そんな時は、かっこわるくても、恥をかいてもやってみてもいいのかもしれません。

陳腐かもしれないけれど、
人生一度きり、ですし。

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