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アオマスの詩集

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フワフワと頭に浮かんでいる言葉たちを一本の糸にするように紡いでいき、詩にしてみました。様々な感情に揺さぶられながら、それでも言葉にしてみたい愛や希望などを詩にできたらと考えていま…
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#雨

月曜日、冷雨、ポケットに飴。

月曜日、冷雨、ポケットに飴。 交通規制、自殺、滲んだ血。 お爺さん、傘杖代わり、震える足。…

蒼乃真澄
6か月前
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時々、秋の雨を浴びたくなる『幻影の風花』

十七の頃、僕はセミナーに勧誘された そこで何を得たわけでもないが 大人たちはみんな優しかっ…

蒼乃真澄
8か月前
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雨天順延(『文房具たちの共鳴』)

 晴れた日に死ぬと、白鳥が微笑む。    しかし、今日は雨。燻んだ匂いは、誰かを不幸に導い…

蒼乃真澄
1年前
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水無月の白昼夢『水無月の白昼夢』

水無月の雨が雪に変わる。 夏が来ず、冬が来る。 蛙が哲学者になる。 カラスがピンク色になる…

蒼乃真澄
2年前
8

河童さんと現代社会『水無月の白昼夢』

そりゃあね。生きづらい世の中ですよ。 だって夜中ですら起きてる人間がいるんだよ。 コンビニ…

蒼乃真澄
2年前
8

凹『水無月の白昼夢』

凹み。そこに、雨水が溜まる。 パチャ。そこに、飛び乗る。 ストン。僕は透明になる。 ヒュー…

蒼乃真澄
2年前
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読書『水無月の白昼夢』

雨の日は、暇になると読書をする。 いつもは小説とか、伝記とか、その類だけど、 今日は手作り感満載の一冊の本を手に取った。 これは、小学校を卒業する少し前に作った文集だ。 一人原稿用紙5枚分。 そこに、自分の一番好きな思い出を書きましょう。 たしか、そんなありきたりなテーマだった。 だけど、僕は何を書いたかいまいち覚えていなかった。 活発な相澤くんは、サッカーの試合について。 可愛い顔をしていた江口さんは、家族と水族館へ行った話。 佐川くんは林間学校。手越さんは運動会。 僕

アーモンドチョコレート『水無月の白昼夢』

雨だから、ちょっと散歩する。あえてね。 普段は見えない世界が見えたりして。 たとえば雨宿り…

蒼乃真澄
2年前
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2004年の僕『水無月の白昼夢』

2004年の僕は、雨だった。 僕の名前に相応しくない、不快な雨。 人生の歩み方を知らず、迷う日…

蒼乃真澄
2年前
12

ボーダーラインを越えて『水無月の白昼夢』

雨水を浴びる海って、幻想的だね。 君もそう思う? 来て良かったね。 少し話でもしようか。ど…

蒼乃真澄
2年前
9

冷凍『水無月の白昼夢』

冷凍チャーハンを食べながら、耳でラジオを聴く。 くだらないけど面白い。どうでもいいけど好…

蒼乃真澄
2年前
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ピンク色のカラス『水無月の白昼夢』

カラスといえば、黒い。 黒は大人っぽくてカッコいいけど、 時折不吉な面を見せることもある。…

蒼乃真澄
2年前
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雨蛙と少年『水無月の白昼夢』

雨が降っている。人間が嫌いであろう、雨。 しかし、少年は舞い上がっていた。 雨だ、雨だ。彼…

蒼乃真澄
2年前
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雨(『回顧する蚕』)

 自宅に向かうバスの中で   僕は窓の外を見る   灰色に包まれた街   そこに降る雨  カッパを着た男が自転車で走る   水しぶきが上がる  僕は懸命に走るその男を見て   哀れに思う  憂鬱さを誘うこの天気が僕は嫌いだった  長靴を履く猫だってきっと雨を望まない  バスのライトが照らす冷たい世界を  一体誰が望むのだろうかと僕は心で嘆く  だけど僕の隣の子供は楽しそうにはしゃぐ  それはきっとその子供が持っている傘のおかげだろう  お母さんと降りてゆくその子供は小銭を