ありふれた散歩道(『日向夏』)
ある老人がベンチに座って 天に息を吹く
ランドセルを背負った少年が 全力で駆ける
スナック菓子を拾ったカラスが それを咥える
僕は今日もありふれた散歩道を歩く
ジーパンのポケットに手を突っ込んで
一頻りラブアンドピースを頭に浮かべる
どうせお偉いさんに敵うことはないけれど
死んだ後に後悔しない人生を送りたい
一匹のアリがキャンディーを運ぶ
噴水広場を眺めるおばあちゃんがいる
子連れのお母さんがお茶を飲んで空を眺める
僕は今日もありふれた散歩道を歩く
圧倒的な劣等感と
暴