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日向夏(『日向夏』)


僕は一つの日向夏を買った
檸檬みたいな見た目で香っている
そういえば 君も柑橘っぽい匂いだった
どこかでお日様でも眺めているかな

その日向夏を光にかざすと
ピカピカと光り出した
黄色い果実がまるで宝石みたいに
ピカピカと光り出した

僕はその輝きから過去を引き出す
ずっとそばにいてくれた君を思い出す
そうだな 君は甘酸っぱい日向夏
僕にとって愛おしい存在だった

夢は消えないよ

君は僕に真実を告げる

愛も消えない

希望も消えない

自由も消えない

信じていれば

ずっと消えない

叶えたいと思えば

光は与えられるよ

自ずと勇気も手に入れられるよ

だから迷ったらとしても

わたしを思い出して

日向夏で慰めてもいいから

とにかく温かい場所に行って

人の温もりを忘れちゃダメ

孤独にならないで

何かを求め続けて

精神を豊かにして

未来を生きてね

日向夏が僕を照らしてくれている
それだけで 生きていける気がする
僕は前を向く 答えのない世界でも
君と一緒に 日向夏を食べながら


(終)


最後までお読みいただきありがとうございました。

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