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落ちる。朽ちる。果てる。(『日向夏』)


食べる。飲む。眠る。

僕を突き動かす最低限

生きる。生きる。生きる。

苦しかろうと 辛かろうと

喜ぶ。笑う。嬉しがる。

いつしか消えた灯り

叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。

小さな声で か弱い声で

光る線が川のように流れてゆく
鮎や鮫 そしてイルカが運ばれている
僕は海藻 ゆらゆらと揺れるだけ
陽の光を浴びて 暖かくなっていくはず

期待とは裏腹に 世界は忙しく回り続ける

生命はバランスを崩していく
いつしか弱肉強食が全てとなる
喰われるものは喰われる
生きるものは生きる
苦しむ者は苦しみ
笑う者は笑う
僕は天秤にかけられて
圧倒的前者であると神が伝える

燃える。失せる。消える。

築き上げてきた過去に火がついて

燃える。飲まれる。無くなる。

断捨離でお掃除 僕の未来に何が残る?

憂う。憂う。憂う。

手元には何も残らない 掌は血だらけで

落ちる。朽ちる。果てる。

今日もどこかで誰がが亡くなっていく

見たい景色に雲がかかり
いつしかスコールが降り注ぐ
無常の天気が無情にも占拠していく
眠る狸も葉っぱに化けて身隠する

恨む。恨む。恨む。

一体誰を? 僕には分からない

妬む。妬む。妬む。

一体誰を? 僕には分からない

押される。潰れる。夢うつつ。

それが僕の人生 まるで腐ったトマト

落ちる。朽ちる。果てる。

やがてカラスが処理してくれる

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