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医療通訳と看護師の間にできた「絆」

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

病院といえば、患者さんやお医者さんがメインのイメージだ。ところが、本当に重要でメインなのは、看護師さんだということを、僕は知っている。

東京で医療通訳の大案件を引き受けた日から、言葉でうまく説明できないが、僕の人生が止まった。資料だけではなく、手術の動画も見て準備した。準備を進めれば進めるほど、性格や表情が変わってきた気がした。

大学よりも専門学校よりも、現場の経験が最大の学びだ、とよく言われている。
僕にとってこの12年間の通訳で、人生的な学びと力を頂いた最大の人は「看護師」だ。
夜勤がある、立ちっぱなしが多い、様々な患者さんとの会話、心を繋げてサポート、知識が深い、いつも笑顔。一番素晴らしいところは、自然に安心させられるところだ。
医療関係者でもない僕に対しても、患者さんに接するのと同じように優しくしてくれた。通訳中に落ち込んだ時は笑顔で声を掛けてくれ、僕に元気をくれた。そして、一緒に患者さんを支える仲間として、チームワークの輪の中に入れてくれた。

ある日、看護師さんは言った。「これを、イタリア語に訳してもらえる?マッシがいない時も、会話を通じるようにしたい」渡されたのは、看護師の専門用語集だった。
こんなに忙しい中で、さらに患者さんへの理解を深めようとする、その仕事に対する情熱に感動した。
看護師さんの仕事、行動、笑顔を見て、新たなマッシが生まれたと感じた。

通訳者を安心させる方法は「資料準備と調べ」
外国から来た患者さんを支えてるのは「通訳者」
医療通訳者を支えてるのは「看護師」
看護師を支えてるのは「こころ」
全てが繋がっていて、そこには無駄なものなどひとつもない。

今でも、看護師さんから学んだことが忘れられない。
あの頃、看護師さんに教えてもらったことを、びっしりノートに書いて、新案件のプレッシャーや日本語の勉強で落ち込む時に、そのノートを見返している。
通訳の仕事が大変だと思ったら、医療通訳はその10倍大変だ。さらに、看護師さんの仕事は100倍大変だと、自分の目で見てやっとわかった。尊敬するしかない。

ここからは、ネットや日常生活などにない、現場で使う医療関係の資料と、下準備を載せたいと思う。「イタリア語と日本語の資料20ページ」のものです。
有料記事にする理由としては、書いた意味を理解した上で、さらに目でその苦労を感じたい方へ、僕の感じた苦労、汗、血の価値を100円で提供したいからだ。

「準備は必要なの?」「通訳って現場に行けばそれだけ」など思われがちだが、事前準備の資料をお見せすることで、通訳者の苦労さをわかってもらえば嬉しい。

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