見出し画像

“人間の心”を学ぶ物語

『フランケンシュタインの恋』というドラマを観た。
最近の楽しみが一つ消えてしまった…寂しい。

その過程でふと、
私は“「人間以外」のキャラクターが、人間と関わる物語”が結構好きなのかもしれないな、と思ったので、その理由を考えてみる。


「人間」と「人間以外のなにか」


最初に思ったのは、16年ほど前。
『絶対彼氏〜完全無欠の恋人ロボット〜』というドラマを観た時だ。

人間と、“ロボット”。


最近では、『葬送のフリーレン』。
フリーレンは長命な「エルフ」で、魔法使い。
「人を知るための旅」に出る。

人間と、“エルフ”。


今回の『フランケンシュタインの恋』では、一度命を落とし、博士によって蘇った、元は人間だった登場人物。
人間に危害を及ぼす可能性が出てきた時、「怪物」と呼ばれてしまう。

人間と、“怪物”。



私がこういった「人間」と「人間以外のなにか」との物語で心が動くところは

“その二者の間に「絆」が生まれた時の喜び”
“一緒にいることの難しさ”だ。


最初は分かり合えない。
でも一緒に時間を重ねていくにつれ、互いを理解して、尊重しあって、友情や恋など、愛情が生まれたりする。
過程を見ているからこそ、それが嬉しい。


また、「長命」だったり
ロボットや不老不死のキャラクターのように、「寿命が訪れない」場合。

もしも自分が登場人物の一人だったなら
「一緒に歳をとることができないこと」が少し寂しい気もするし

「それでも一緒にいたいと思えるような出会い」を果たすほど
幸せなことはないな、とも思う。

…結局、幸せを決めるのは自分だ。


そこに、確かに「愛情」があり
「人間」対「人間以外のなにか」であるからこそ

「一緒にいられること」という、世間ではありふれているかもしれない幸せさえも、とてつもなく大きくて尊い幸せのように感じる。

結果、周りにいる自分にとって大切なひとを
今以上に大切にしようと思うきっかけにもなるような気がする。


教えたり、教わったり。


人間が「人間以外のなにか」に、人間のことを“教えてあげる”場面がよくある。

「社会のルール」だけではなく

「感情」とか
「言葉」とか
「表現方法」とか。

登場人物が懸命に説明している様子を見ると
改めて、難しいな…と思うのだ。

たとえば
言葉では「A」と言っているけれど、本心は「B」だったり。

笑顔だけど、悲しい気持ちだったり。

本音と建前。
思いやり。

言葉は、心と違ったりする。

また、言葉だけでは感情が伝わらなかったりもする。

だから、涙が出たり
手を上げてしまったり
自分でもわからない不思議な現象が起きてしまったり…

感情が溢れて態度に現れた時に、動揺してしまう。

これがいいことなのか、悪いことなのか
わからないけれど

ただ、「人間らしい」状態だな、と思う。



…でも、人間らしいってなんだろう。

「人間以外のなにか」の目線で客観的に世界を見てみると
人間の方がよっぽど怪物じゃないか、と思うこともある。

今回の『フランケンシュタインの恋』では、特にそう思った。


人間は生き物だ。
一人一人の個性の中に
“醜い”部分も、“愛すべき”部分もあって

感情や経験によって
どちらかが強くなったり、弱くなったりを
繰り返して生きているのかな。

だからこそ

「人間以外のなにか」が持つ“新鮮な目”“無垢で美しい心”を、いつも作品から教わっているような気がするのだ。

教える場面を見ながら
色々なことを教わっている


私は人間だけど、まだまだ知らないことがたくさんある。

名前のつかない感情も
理解しがたい価値観も
醜くて目を背けたくなるような現実も

でもその一方で

言葉では言い表せない、綺麗な感情も
新しい価値観も
瞬きさえも勿体無いと思うような美しい世界も、きっとある。


…私はきっと、自分自身もまだ人間のことがよくわからないから
人間のことを知らない目線から、何かを学ぼうとしているのかもしれない。

また
「人間以外のなにか」と心を通わせることができるのならば、人間同士で心を通わせることなんてもっと簡単なはずなのに…と思う一方で、人間同士だからこそ厄介で、難しいのかもしれないな、と思う自分もいた。


物語に出てくる
「人間以外のなにか」であるキャラクターたちは

「人間を知りたい」という気持ちや
「人間が好き」という気持ちがあったりする。


私は自分自身が人間でありながら
あまり人間が好きとは言えない。

それでも

このキャラクターたちがたくさん教えてくれる
“人間のいいところ”も、ちゃんと見つめて生きていきたいな、と思った。




2024.4.11

この記事が参加している募集

最近の学び

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?