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日本一の名司会者、中居正広に学ぶ「場を最大化する」コミュニケーション術

こんにちは、西村マサヤです。

ずっと(一部の人から)熱望されていた「中居くんに学ぶコミュニケーション術」のnoteです。さんまさんとどちらを先に取り上げるか悩んでいたのですが、Twitter投票の結果、中居くんになりました。


なぜ、中居くんから我々は学ぶべきなのか

答えはシンプルで、彼が「先天的に」コミュニケーションが上手だったわけではなく、「努力によって」あのスキルを身に着けたからです。つまり、我々一般人でも「再現する」ことができうる、そう僕は思っています。

故ジャニーさんも、こう語っています。

「中居君なんか、最初はものすごく二枚目というか、まじめでねえ。あそこまでしゃべれる人間でもなかったし、おとなしかった」
ー霜田明寛「ジャニーズは努力が9割(新潮新書)」より


そんな中居くんから我々は何を学べるのか。山程書きたいことはあるのですが、今回は要点を3つに絞りました。商談やチームマネジメントで絶対に欠かせない「コミュニケーション術」を鍛えるサポートになれば嬉しいです。


1.徹底した準備

まず押さえておきたいのがこれ。SMAPファンの間では超有名ですが、彼の「準備力」は並大抵のものではありません。

紅白歌合戦や27時間テレビなど、長時間の番組でも台本を丸暗記し、周りのゲストに驚かれたエピソードが数多く存在します。その中でも特に伝説とも呼ばれている2007年の紅白の事例を紹介させてください。


CASE STUDY

2007年は笑福亭鶴瓶と共に司会を担当した回。鶴瓶は普段からあまり台本を読み込まないスタイルなので、台本の読み込みが必須となる紅白の司会を渋っていたそう。そこで中居くんは「僕がみんなやりますから、ベーさんには負担かけないで下さい」とスタッフに直談判。結果、彼がすべての進行を把握し、鶴瓶のサポートもしながら4時間の本番をやり遂げたのです。普通にすごすぎる。

これ、ビジネスの商談でも非常に重要な能力だと思います。上司や関係者に「何を話してほしいのか」「どう振る舞ってほしいのか」を事前に設計し、彼らが動きやすいようにサポートする。

彼が他のMCとは違い、鶴瓶やさんま、タモリといった大御所と一緒に司会ができているのはこういったスキルが評価されているからではないでしょうか。


2.会話の流れを意識する

いわゆる「話が上手な人」と「話が下手な人」の一番の違いがこれだと思います。会話の流れ。

彼のMCを何百本も研究し、ひとつの法則に気づいたのですが、最初は「答えやすく、具体的な会話」から入り、徐々に「抽象的で、個性が出る会話」に進んでくんですよね。この流れをうまく作れる人こそが「話が上手な人」だと僕は思っています。

例えば「話が下手な人」の典型例。


「休日は何してるんですか?」


「いや、毎回やってること違うよ・・・。」と思ってしまうのは僕だけではないはず。こういったオープンクエスチョンは関係値の浅い場面、特にビジネスのアイスブレイクには全く適していないと僕は思っています。もちろん場合によっては、共通の趣味が見つかったり、相手がとてもユニークな趣味を持っていたりして話が弾んでいくこともあるとは思いますが、この質問では話が盛り上がる蓋然性が低すぎます。なぜなら会話の主軸が相手の答えに依存してしまってるからです。

では、どうすればいいか。

ここで大事になってくるのが、先ほど述べた「徹底した準備」です。事前に情報をインプットすることで、ある程度会話の流れを想定しながら質問を投げていくことが可能になります。

これはどの回でも良いので「SMAP × SMAP」を見れば学べるのですが、特に象徴的だった回を紹介します。


CASE STUDY

「SMAP × SMAP」 ゲスト : 出川哲朗(2016年3月7日)

この回のトークは、準備をベースとした「具体質問」から「抽象的でゲストの個性に任せた話」の流れが絶妙だったので紹介します。


中居「ウッチャンナンチャンが同期?」

出川「はい」

中居「同期でもあり、出身劇団(も同じ)?」

出川「同じ専門学校を出て、一緒に劇団も出た仲間」

観客(へ〜)

中居「ヒロミさんは?」

出川「(ヒロミさんはもうTVで人気だったので)ヒロミさんの方が1個下だけど、最初から「ヒロミさん、はじめまして」という関係でしたね(笑)」

観客(笑い)

中居「そんな出川さん、昔は「嫌いな男ランキング」で殿堂入りと話題でしたが、最近「出川ブーム」が来てるなんて聞きますがどうなんですか」

出川「いや〜やらしい話〜手応えは感じてるね(笑)
           実際にね〜(ここから出川の話が続く)」

伝わりますかね・・・?w

最初は出川と同世代のタレントの話(=超具体的)で、非常に答えやすく、回答範囲も限定された話でリズムを作りつつ、ひと笑い作ってから、「出川ブーム」という本丸の話へと流れていく。

たぶん下手な司会者だと、いきなり「出川さん、最近人気みたいですね〜」から入っちゃうと思うんです。それが一番ホットな話題だから。でもなんでこれがダメかと言うと、まだ会話のリズムができてないうちにゲストに会話の主導権を渡してしまうと、場をコントロールできなくなるからなんですよね。もちろん出川もプロの芸人なので、さほど変なことにはならないとは思いますが、人によってはいきなり長時間一人語りが始まってしまったり、全然ネタがおもしろくなかったり、といったリスクは多分に考えられます。

そこでまずは答えが明確な、身の回りの質問からリズムを作っていく。これこそプロの仕事だな〜と唸ってしまいました。

そしてこの「質問力」をつけるにはやっぱり準備しかないんですよね。


3.視聴者の代弁者である

いちSMAPファンとして、一番強調したいのがこれです。

彼は名司会者であると同時に、アイドルでありジャニーズタレントだったので、どうしても「ありのままを語る」というのが難しい立場にある人だと思います。

僕の知る限り、SMAP解散をネタにできているのは中居くんだけだと記憶しています。(ガキ使の草彅のネタは例外としますw)

解散前の27時間テレビ「さんま・中居の今夜も眠れない」でも、さんまから「何で(最近)SMAPは歌出さへんねん」とツッコまれたことがあり、当時一切誰も触れられなかった状態だったので衝撃が走ったのを覚えています。

いろいろややこしい芸能界では、「みんなが気になってるのにあえて触れない」という事案によく遭遇します。そのとき、我々視聴者は非常にストレスを感じますよね。これは仕事でも同じで、「誰も触れないけど、ちゃんと議論すべき問題」への対処の仕方は非常に重要です。だけど、とてもむずかしい。最後は、そんな「触れにくい話題」への中居くんの神対応をケーススタディとさせてください。


CASE STUDY

「ワイドナショー」(2019年3月24日)

東野「3年半ぶりの出演です。中居正広さんです!」

松本「なんで3年半出てくれへんかったん?」

中居「・・・?
          あ。アレだぁ(笑)」

観客(大爆笑)

松本「わかるわ!(笑)」

ほんと短いやりとりですが、僕はこれ見たとき鳥肌が立ちました。

SMAP解散前は頻繁に出演していたワイドナショーに、解散以降ピタリと出なくなった中居くん。当然ファンは3年半、複雑な思いで待っていたわけです。

とはいえ、内情をペラペラと話すわけにもいかない。心機一転、頑張っている他の4人のこともある。そんな難しい状況の中、松本人志の剛速球を「アレだぁ」の一言で華麗にかわす能力に感動しました。(松本・中居の関係性を考えると事前に仕込んでいた可能性は多分にありますw)

「触れにくい話題」を、誰も傷つけずに扱うことが出来る。これこそ「コミュニケーション術」を鍛えることで為せる技だなぁと思いました。



このnoteが、明日からのコミュニケーションに、少しでもお役立ちできてれば幸いです。

なお、「中居くんから学ぶリーダーシップ」も別noteにありますのでぜひご覧ください。


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