只今、読書中。「ダリの告白できない告白」 サルバドル・ダリ (著) 3

※この記事は、私が今、読んでいる本を読んだところまで適当にまとめていきます。

スペインの画家、サルバドール・ダリによる1973年、69歳の時の自伝。
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身の回りのものからひたすら自分自身の美しく、そして奇怪な白日夢的世界を構築していくダリ……このあたりの描写で、ようやく、今、自分は芸術家の自伝を読んでいるんだな、という気にさせてくれる。

ダリ、9歳。学校の休暇の間、知り合いの芸術一家の家に預けられる。ここでダリは絵画制作に没頭する。画家であるこの家の主人がダリの描き上げた絵を見て「これは天才的な作品だ」と感嘆する。

ついに天才芸術家、サルバドール・ダリの誕生か?
そして、ダリは……この家の養女に……セクハラを仕掛ける。朝、なかなか起きてこないダリ。この家の養女が「早く、起きてよ」とシーツをめくるとダリの下半身は丸出し。これを何度も何度も繰り返す……ずっと、この調子なのか? この男は。

これはセクハラではないが、出されたカフェオレをわざと口から垂れ流し、顎から胸元や腹部まで拡がるベタベタした感触を秘かに楽しむ……また、これか、とも思うが、幼年期の蛆虫、うんこへの執着に比べれば、一応、まともにはなって来ているともいえる。

中学に入り、本格的に美術への道を進むダリ。哲学も学んだ。古典美術も学んだ。論文も書いた。髪を伸ばし、奇妙な服装で皆の注目を浴びるダリ。まわりはバカしかいなかったぜ、と語る現在のダリ。

私は無政府主義者である、と語るダリ。だから、ということなのか? 道端でパンを食べていた自分より体の小さな少年をいきなり殴りつけるダリ。次にやはり自分より小さい少年の持っていたバイオリンを奪って踏みつけるダリ……一体、何なんだ? あなたという人は。

17歳頃からマドリードにある美術研究所に通い始めるサルバドール・ダリ。
ここでダリは後に詩人になるフェデリコ・ガルシア・ロルカと、後に映画監督になるルイス・ブニュエルに出会う。
……ダリ! ロルカ! ブニュエル! ものすごいメンバーだ。この3人が同じ教室にいた、と考えるだけで、この本を持つ手にちょっとだけだが震えが来た。

今回はここまで。

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