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歌集「あふれよ」道浦母都子を読む
歌集「あふれよ」道浦母都子を読む
道浦さんは小池光さんや永田和宏さんと同年であり、小生ともほぼ同年代である。何度か歌会に参加させていただき親しみを持っている歌人のひとりである。これまでにアンソロジーでは歌に接してきたが、歌集を一冊鑑賞したのは「あふれよ」が初めてだ。
通読して感じたのは、母、父、姉といった家族との葛藤、多くは記憶の中で詠われている。二つ目は全共闘世代のイメージにいつまでも引っ張ら
令和5年自選歌集 できました。
恒例の年末自選歌集を作成しました。
令和五年 自選歌集
(春)
淡雪を秀先にのせる美山杉渓(たに)のなだりに無音の満ちる(角川短歌5月号)
ひらひらとひかりをかへす葉群れには山茶花笑ふ一休の寺
薄紅の衣を纏ふ蕊のふさ陽射しにむかふ甘南備の径(京都短歌2/2)
能楽の発祥の地とふ薪社に詣でる人とちらほら出会ふ
百円の柚を土産に帰り来てミサイル繁き映像を見ゆ
(夏)
ぬばたまの遮光シート