今月の詠草

卯月詠草
さわやかな季節を迎えて外出が多くなりました。

昨日より空が青いとそれだけで幸せになる燃えるごみの日
三十年住まゐし大和郡山お城の枝垂れ車窓をよぎる
蛇行剣ひとめ見むとてさまざまな顔並びたる畝傍のふもと
一丈の大剣(おおつるぎ)にて伝へしはヤマトを統べる気概にあらむ
赤さびの混じりし剣(つるぎ)置かれしを意外に薄いとひとの言いたり
〈筑前〉に〈福島太夫〉〈正宗〉と町名たどり街あるきをり
喫水のぎりぎりにして水脈をひき屋形船ゆく花吹雪くなか
濠川を押し流れくる水圧をうけて見むかと水門を越ゆ
あといくど身を爛漫に浸すらむ 詮無きことに思ひはすれど
〈黄桜〉と名の付されたる桜木の鬱金色した花の咲きそむ

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