三月の詠草

三月の詠草

(三月詠草)
HAND OFF RAFAHと掲げる人人の声届けよとルミネの空に
昼食はフルーツゼリー君の卓たまに塩パンひとつくはへり
強風に千切れしはぐれ雲ひとつぐんぐと往く山背のそら
黒土の古墳の縁を登りゆく春の陽ざしの青谷梅林
ベンチにはシニア夫婦の語りをりお花見セットを分けて酒酌む
枝さきの地につくほどに枝垂れたる梅の古木は爛漫に咲く
田の畦にオオイヌノフグリは真つ先に空より青く散らばりて咲く
ぬれ落ち葉をさし貫きて水仙の細き葉先に春の陽さしぬ
チューリップのウエーブしたる葉のすきに春の予感を花芽は透かす
道標のふとき文字は深深とこれよりひがし宇治田原みち

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