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「もう、家を出ることにしました。母親がリビングに居るのを意識しただけでパニック発作を起こ…
マサはこのあと、高校時代からの野球部の友だちであるヨシオとトシに会いにいった。この三人は…
「それで、今回はなんで私を呼び出したの」 「──うん、いろいろいい訳考えたんだけど、やっ…
二度と会うことがないだろうと思っていたので、待ち合わせの時間に現れたリョウコを見て現実的…
マサが高校三年生のときに、失恋をしている。思春期を迎え、まだ自覚的ではないが強烈な自己嫌…
「ほんとにそう思ってる」 「思ってるよ、思ってるよ。マサは死ぬなんてもったいないよ。ほん…
「大丈夫? なんか辛そうだったけど」 「うん、なんかもうどうでもいい」 「何いってんの?」 「死のうかなって思ってる」 「ちょっと待てよ、何いってんだよ、マジで、ちょっと落ついてくんない?」 「もういいよ、なんでこんなツレーことばっかり俺が耐えないといけないわけ、もういい」マサは泣いていた 「挙げ句の果てに死のうと考えたときに誰の顔が浮かんだと思う? リョウコだよ。最悪。五年前に別れた女のことまだ引きずってんの、最低、ほんとに俺が一番嫌いな男だよ、俺。もうむしろ死
期間:六歳~一二歳 ──僕が六歳のときに両親が再婚することになり、一学期期間だけ母親の実…
「彼女もここに通ってるの?」 「はい、いちおう僕がすすめました」マサは先日のヒサコさんの…
キョウカ先生が打ち出されたレジュメにざっと目を通し、カウンセリングが開始された。 「こっ…
僕と姉たちの関係は少し変わっていたと思います。これは客観論であって次女を侮辱するつもりで…
〇歳~五歳頃までの家庭の雰囲気についてですが、先述したように僕が生まれてからほんの少しの…
期間:〇歳~五歳 ──僕は三九〇〇グラムという大きな身体で生まれました。しかし生後一〇日…
これまでノートに手書きでレジュメを書いてきたが、内容がシリアスになるにつれ感情の制御に戸惑うようになってきた。次のレジュメからマサはパソコンのワープロソフトを使って過去の記憶を記していくようになった。左記は二〇〇二年一月二五日にマサが橋本先生に提出したレジュメだ。 現在の不安 ──頭の怪我、パニック障害の残遺症、トラウマ、うつ、バイトのストレス、いったいどれに不安を感じているのか分からない。ここ一週間ほどかなり不安定。デパスを飲めば楽になるのは分かっているが依存性があるこ