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父の帰宅 27

僕と姉たちの関係は少し変わっていたと思います。これは客観論であって次女を侮辱するつもりではなくむしろ今は尊敬していますが当時の僕の考えを書いておきます。なぜか僕は長女と非常にうまがあって子どもの頃から次女をのけ者にして遊んでいました。

また長女は初めての子ども、僕は初めての男子ということもあって親の側にも次女を可愛がる程度が少し薄かったように記憶しています。現在、姉弟三人とも会話をすることはありません。僕がこの状態になって初めて気づいたのですがやはり三人とも心に傷を受けていると思います。

そして長女の場合は一番その程度がひどいと思います。ある一定期間長女はまったく家族と話をしなくなりました。僕が大学生になったくらいから、長女は僕とだけ会話をするようになっていましたが、僕がパニック障害を発祥してからは長女が怖くなってしまいました。

話をしただけで調子を崩したこともあります。次女はパニック障害になってからは僕にとって精神的な大きな支えになってくれていたのですが父親が帰ってきたことを母がすぐに伝えなかったために逆上されて以来、関係は希薄です。僕は父のことを家族に話すことで自分の調子が崩れることが分かっていたし、次女も動揺することは分かっていたので伝えていませんでした。

僕も次女に伝えなかったことに関して責任を感じてクリスマスカードで謝ったのですが、その後会話は一度もありません。

現在の不安について記します。交際している彼女についてですが、彼女自身も過去の家族関係において心に傷を負っていたようで、このクリニックにくるようにすすめて、現在橋本クリニックに通院しています。

最近転職が決まってそうとうきつい仕事のようで愚痴がたえません。僕自身精神的に不安定なときもきちんと話を聞くようにしています。僕がパニック障害できつかったときに彼女は僕の話をきちんと聞いてくれたという背景があります。

でもやはり西尾先生の本を読み始めてから依存、共依存という言葉が頭をもたげます。自分がきつい状況で彼女の愚痴を聞くことが果たして両者のためなのだろうかと。

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