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その後マサはヒサコさんに別れを切り出した。ヒサコさんはマサがあまりにも色々な判断を橋本ク…
二〇〇二年二月六日時の不安 ──前回も彼女のことが負担になるとお伝えしました。今はもちろ…
年が明けてみんなでお節料理を食べるときになって、例によって父は起きてこなくて母親と喧嘩に…
期間:六歳~一二歳 ──僕が六歳のときに両親が再婚することになり、一学期期間だけ母親の実…
〇歳~五歳頃までの家庭の雰囲気についてですが、先述したように僕が生まれてからほんの少しの…
期間:〇歳~五歳 ──僕は三九〇〇グラムという大きな身体で生まれました。しかし生後一〇日…
これまでノートに手書きでレジュメを書いてきたが、内容がシリアスになるにつれ感情の制御に戸惑うようになってきた。次のレジュメからマサはパソコンのワープロソフトを使って過去の記憶を記していくようになった。左記は二〇〇二年一月二五日にマサが橋本先生に提出したレジュメだ。 現在の不安 ──頭の怪我、パニック障害の残遺症、トラウマ、うつ、バイトのストレス、いったいどれに不安を感じているのか分からない。ここ一週間ほどかなり不安定。デパスを飲めば楽になるのは分かっているが依存性があるこ
橋本先生はトラウマに関するスペシャリストの精神科医だが、トラウマを抱えた患者ばなかりでは…
「マサ、もう何してんのよ、ちょっとあんた大丈夫なの? 超心配してたんだけど……。なんかい…
このときの診察でマサは心理カウンセリングを受ける必要があるのだと危機感を持つようになった…
そんな感じではあったが心の隅の方で今はしんどいけどこれはこれからよくなるための修練のよう…
翌日からうつが始まった。マサはひどいうつ状態のことをヒラメと呼んでいた。ヒラメのようにベ…
ヒサコさんはマサにこういっている。 「家族みんな私が強いと思って、私になんでも相談してく…
後にヒサコさんとわたしは会うことになる。ヒサコさんは美人だ。そしてヒサコさんは高校時代は関西私立大学でもっとも偏差値の高い同志社大学の推薦枠をもらっていた。自立して働かなければいけない、お金を稼がなければいけないと思い込んでいてしまって推薦枠を自ら断る。 普通の学生、親ならば涎をたらしてでも欲しがる推薦枠だ。ヒサコさんはマサにいっていた。今考えると勉強がしたかったと、マサ君みたいに無理にでも大学に行くべくだったと、あのときにもう少し自分に考える力があればと。 マサと同じく