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松井のおば様へ 家庭の問題につき合わせてしまって申しわけありません。たぶん母一人でこの文…
二回目の搬送は午前八時から開始した。車で往復五〇分。三回目くらいから体力的に限界を感じ始…
そして引っ越しが開始された。業者に頼めば誰かが気づくのでそれは避けたい。マサは自家用車の…
「もう、家を出ることにしました。母親がリビングに居るのを意識しただけでパニック発作を起こ…
マサはこのあと、高校時代からの野球部の友だちであるヨシオとトシに会いにいった。この三人は…
「それで、今回はなんで私を呼び出したの」 「──うん、いろいろいい訳考えたんだけど、やっ…
二度と会うことがないだろうと思っていたので、待ち合わせの時間に現れたリョウコを見て現実的ではなくて妙な感覚だった。強引に呼び出す形になったことをマサはまず謝った。リョウコはうんとは頷いたが、マサヤから事情を聞いていて、どういう顔をすることが適切か分からなくてぼんやりと返事をした。なんか食べよっかといって、近くのオムライス屋に入った。 「久しぶり」 「こちらこそ」 「なんか疲れてるね」 「色々あるからね、こっちも」 「そっか、マサヤからだいたいの事情は聞いてるかな」
マサが高校三年生のときに、失恋をしている。思春期を迎え、まだ自覚的ではないが強烈な自己嫌…
「ほんとにそう思ってる」 「思ってるよ、思ってるよ。マサは死ぬなんてもったいないよ。ほん…
「大丈夫? なんか辛そうだったけど」 「うん、なんかもうどうでもいい」 「何いってんの?…
その後マサはヒサコさんに別れを切り出した。ヒサコさんはマサがあまりにも色々な判断を橋本ク…
二〇〇二年二月六日時の不安 ──前回も彼女のことが負担になるとお伝えしました。今はもちろ…
年が明けてみんなでお節料理を食べるときになって、例によって父は起きてこなくて母親と喧嘩に…
期間:六歳~一二歳 ──僕が六歳のときに両親が再婚することになり、一学期期間だけ母親の実家から近くの小学校に通い、その後現在住んでいる父親の実家から小学校に通うようになりました。 僕の覚えているこのときの記憶は引越しのトラックに乗りながら早く実家に帰りたいという気持ちでした。というのは僕は両親が共働きだったのでほとんど父方のおばあちゃんに育てられていて、おばあちゃんに会いたくて仕方なかったことを記憶しています。 再婚して引っ越してきた時点で、父の経営していた会社は倒産し