正木伸城

知の越境家を志すライター、マーケター、フリーの広報、講演家です。労働や生活を思想的に深堀るのが得意。15,000冊超を読了。分野選ばず書けます。うつやパニック・精神病棟から帰還したりしたので疲れないようにゆるりとやりたいです。とはいえ日々しんどい

正木伸城

知の越境家を志すライター、マーケター、フリーの広報、講演家です。労働や生活を思想的に深堀るのが得意。15,000冊超を読了。分野選ばず書けます。うつやパニック・精神病棟から帰還したりしたので疲れないようにゆるりとやりたいです。とはいえ日々しんどい

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  • エッセイ

    正木がつづるエッセイ

  • 書評

    正木が書く書評です。

  • あなたの自分史、まとめます。

  • 「ちょうどいい加減」で生きる。

    みずから13年以上のうつ病経験をもつ筆者が、自身の「うつ抜け」メソッドや、うつ時代に支えになったこと、また現在までのキャリアアップや自己実現の方法についてつづる連載エッセイ。

  • インタビュー

    正木がインタビューした記事です。

最近の記事

愛とは骨折のことである。

愛とは何だろう。とらえどころがあるようで、ない。存在しているようでいて、でも、憎しみや裏切りに包まれた時、愛は存在しないようにも思う。 きのうライブに行った。東京・赤坂のネオンまたたく街なかにある雑居ビル3階のライブハウス。唄いびとは唄っていた。なぜ海は青いのか。ひとはそのワケも知らない。なのに愛については、深く考えずにわかったようにしている、と。 アウグスティヌスがむかし言ったことを思い出す。「時間とは何か。そう問われなければ、私はそれを知っている。でも、時間について説

    • 欲望や刺激の虜にされ、虚しさの落とし穴に堕ちないための道標|トリスタン・ガルシア『激しい生』書評

      人間の欲望を喚起し、無限なる快の追求に熱をあげさせることが資本主義的な正義だとされている。なかでも私たちが日々経験しているのは「強さ=激しさ」への駆り立てである。そう指摘したのは、フランス現代思想界を牽引しているカンタン・メイヤスーの教え子・哲学者トリスタン・ガルシアだ。「強さ=激しさ」と言われてもピンと来ないかもしれない。ここではひとまず「感動」や「興奮」といったイメージで捉えてほしい。目の覚めるような体験。忘れられない出来事。歴史や社会を変える偉業。恋愛における絶頂。スポ

      ¥100
      • [書評]抗わず・焦らず・老害とも言わせず。寄る年波を輝かせたいひと必読の『人生後半の戦略書』

        老害という言葉を聞くようになって久しい。個人的にはこの語が好きではないが、私にもそう言われてもおかしくない年代が近づいてきた。仕事はどうか。日常生活はどうか。節度ある歳の取り方をしていないばかりに、時代遅れの知識を振りかざしてビジネスを行ったり、高圧的な説教を若者にするようになっていないか。一方で、中年世代にもなって相も変わらず地位や名声を追い求め、馬車馬のように知識・スキルを切り売りしている人も存在する。場合によっては自身を飾り、承認欲求を満たす人もいるだろう。ブランドもの

        • [書評]「いつか幸せに」よりも「今を幸せに」から始める田中克成『自分をよろこばせる習慣』が幸福の本質を突く。

          私たちは幸せを乞い、願う。「いつか幸せになれれば」と期待を未来に投影する。幸せはいつも「将来に」「この先に」設定されがちだ。しかし、立ち止まって考えてみてほしい。なぜ幸せはいつも「いま・ここ」ではなく「遠く」にあると前提されているのだろうか。幸せは、いつか「なる」「得る」ものに決まっているのだろうか。幸せは、いまが幸せ「である」という「状態確認」によって再来するものであってもいいのではないか。 ドイツの大文豪ゲーテは言う。 ゲーテのこの言葉を「幸せ」に引きつけて意味をくみ

        • 愛とは骨折のことである。

        • 欲望や刺激の虜にされ、虚しさの落とし穴に堕ちないための道標|トリスタン・ガルシア『激しい生』書評

          ¥100
        • [書評]抗わず・焦らず・老害とも言わせず。寄る年波を輝かせたいひと必読の『人生後半の戦略書』

        • [書評]「いつか幸せに」よりも「今を幸せに」から始める田中克成『自分をよろこばせる習慣』が幸福の本質を突く。

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          [書評]お世辞抜き、転職指南書の決定版! 佐野創太『ゼロストレス転職』は佳き生き方も教えてくれる。

          人材ビジネス大手・パーソルキャリア株式会社出身の私が断言する。この本は転職指南書の決定版だ。転職に関わる思い込みの打破から応募書類の作成法、面接の対策、そして転職エージェントと最良な形でタッグを組むメソッドまでもが網羅的かつ具体的に提示されている。副題の「内定の近道」は嘘ではない。流行りのリファラル採用についても触れられているし、現在も採られる手段としてはメインになっているエージェント登録による転職においても、この書籍どおりに実践すればまず間違いなく内定が勝ち取れるはずだ。エ

          [書評]お世辞抜き、転職指南書の決定版! 佐野創太『ゼロストレス転職』は佳き生き方も教えてくれる。

          人間関係の悩み解消の専門家で相性診断のプロ・黒木豊美の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          人が抱く悩みのほとんどは人間関係から生まれると言われる。そんな悩みの根源を見抜き、専門家として適切な声かけをしている黒木豊美さん。彼の本領は、統計に基づいた相性診断にある。人間の性格などを120のパターン(男性60、女性60種)に分け、各パターンの人とどのようにつき合えば良いか等をアドバイスしていく。テーマは、恋愛、結婚、同僚、家族などさまざまだ。これが正誤なく的確なため、黒木さんの相性診断は人気を博し、のべ3000組が彼の相談室の門戸を叩いた。ここでは黒木さんの人生遍歴の一

          人間関係の悩み解消の専門家で相性診断のプロ・黒木豊美の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          寄り添いサービス「あなたの味方」代表・MIHO(みほ)さんの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          6児の母として子育てに奮闘しながら、多くのママの相談にも乗り、メンタルケアも行っている、寄り添いサービス「あなたの味方」代表・MIHO(みほ)さん。心のひだに触れるような彼女の温かなサポートには、波乱万丈の人生に裏打ちされた言葉や姿勢があった。毒親の悩みを乗り越え、モラハラ夫の影響下を脱し、不登校児のわが子を支えてきた――そんなMIHOさんの人生史の一端を追った。 円満とはほど遠い夫婦生活。その末に夫と離れて――現在、母として6人の子育てをしているMIHOさんですが、差し支

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          株式会社COCOL代表・沼尻理花の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          ファッションデザインや商品企画・プロデュースを長年手がけ、現在は株式会社COCOL(ココル)代表として「伝統工芸」や「再生素材」「地域開発商品」の商品企画からPR、販売まで展開する沼尻理花さん。彼女はいま、自身が得た知見を後進に伝えるために個人事業主やスタートアップ企業のサポートも行っている。また、自らも一段と飛躍することによって、世代を超えた「共創」的シナジーを生み出そうとしている。型にはまらない沼尻さんのキャリアはそのまま若い人たちの希望になるだろう。ここでは、彼女の人生

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          元裁判官が占い師になった!? タロットカウンセラー菱田貴子の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          裁判官や弁護士といえば「お堅い」というイメージを持つ人も多いだろう。そんな法曹界から転身して占い師になった人がいるとしたら皆さんはどんな印象を抱くだろうか。型破り? 破天荒? 今回ご登場いただく菱田貴子(ひした・たかこ)さんは、まさにその「堅いキャリア」を手放してタロットカウンセラーとして活躍している。彼女は裁判官・弁護士として働いた23年間で2000件を超える係争を担当し、あまたの相談に乗ってきた。転身にはどんな心境の変化があったのだろうか。話を聞いた。 普通の占いとは異

          元裁判官が占い師になった!? タロットカウンセラー菱田貴子の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          日本の佳きものを世界へ。事業創出支援・経営改善のプロフェッショナル・Josh Onishi(ジョシュ大西)の自分史

          経営改善の請負人として欧米7社でCEO・CFOを務め、企業の立て直しを実現してきた日本人が、いま活躍の圏域を日本に広げ始めた。Josh Onishi(ジョシュ・大西)氏である。蒼穹を仰ぐようなレベルで名実ともに「実力者」と言われる彼にはどのような人生遍歴があったのだろうか。話を伺った。 ――最初に、キャリア形成のギアが入った契機について教えてください。 私にはビジネス上のハッキリした原点はありません。かといって「気がつけば」現在に至っていたという戦略無しの話でもない。私が

          日本の佳きものを世界へ。事業創出支援・経営改善のプロフェッショナル・Josh Onishi(ジョシュ大西)の自分史

          株式会社BODY BASIC代表/キックボクシング元ミドル級王者・今野顕彰さんの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          みなさんは「家族」と聞くとどのようなイメージを抱くだろうか。それこそ育ってきた家庭環境によって「それぞれ」かもしれない。温かい絆を想像する人もいれば、凄惨な場だったと振り返る人もいよう。ジャパンキックボクシング元ミドル級王者で、株式会社BODY BASICの代表を務める今野顕彰(こんの・あきら)さんは、目立つキャリアとは別の次元で、そんな「家族」について考えてきた一人だ。彼は自身の来し方を整理する意味で、本サービス(詳細は最下方)に応募してくれた。ここでは彼の活躍の"舞台裏"

          株式会社BODY BASIC代表/キックボクシング元ミドル級王者・今野顕彰さんの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          准教授として教鞭を執りながら作業療法士として現場へ――平尾文さんの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          病気や事故、障がい等の影響で日常生活に支えが必要な人をサポートする作業療法士。彼らの仕事は「リハビリ支援」を想像してもらうとわかりやすいかもしれない。心身が思うままにならない中で、着替えや入浴、トイレなどをこなせるようにする。人と社会との豊かな接点を作っていく。これが作業療法士の役目である。平尾文(ひらお・あや)さんもその一人だ。彼女は広島都市学園大学健康科学部・作業療法学専攻の准教授として教鞭を執りつつ子どものサポートで現場に立ち続けている。しかも最近は、刑務所の受刑者支援

          准教授として教鞭を執りながら作業療法士として現場へ――平尾文さんの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          [書評]川上徹也『すごいタイトル㊙法則』|売れるタイトルの案出やコピーライトの勘所がつかめる良書。

          ジョン・ケープルズの名著『ザ・コピーライティング』は日本での2008年の発刊以来、珠玉の書としてたくさんの読者を獲得してきた。本書はアメリカ広告業界で伝説的コピーライターとして活躍したケープルズが実証的かつ即効性のある科学的広告ノウハウを明かしたものだ。「収益をあげる言葉」「売れる言葉」の数々がコピーとして躍動するさまは凄まじい。 今回紹介する川上徹也著『すごいタイトル㊙法則』は、その衣鉢を継ぐものである(と言うと川上氏は恐縮されるだろうが……)。この本では「タイトル」にフ

          [書評]川上徹也『すごいタイトル㊙法則』|売れるタイトルの案出やコピーライトの勘所がつかめる良書。

          女板前だけの日本料理店板長・蒲原ゆばこの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          かつては考えられもしなかった「女性の板前だけで切り盛りする日本料理店」。それを現実のものにし、着実に成長を続けている店が東京・銀座にある。懐石料理店「つるとかめ」だ。創業7年目を迎えた同店は「伝統ある日本の文化を日本料理から 日本人だけでなく世界に伝えていきたい」との願いのもとに志ある女性たちの手によって運営されている。まさに道なき道を切り開いたパイオニアたちの営為だ。一歩一歩はどのように踏み出されたのだろうか。板長を務める蒲原ゆばこさんに人生史を振り返ってもらいつつ話を訊(

          女板前だけの日本料理店板長・蒲原ゆばこの自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          [書評]『絵でわかる10才からのAI入門』森川幸人|人工知能の解説を、わかりやすく。でも深く。

          作家・井上やすしが語り残した言葉にこんな名句がある。 難しいことを難しく語ることはやさしい。難解さが大切な場面も確かにあるだろう。でも、できれば「難しいことがらの複雑さをそのままにしながら難しいことをやさしく語り直す」ことを目指したい。それが、大衆が求めていることだから――。出版社から「知の越境家」というもったいない肩書きをいただき、社会に氾濫する知識の交通整理を行いたいと願っている私にとって、上記一節は生涯の指針だ。これを実践する模範は、世を見渡してもそうはいない。しかし

          [書評]『絵でわかる10才からのAI入門』森川幸人|人工知能の解説を、わかりやすく。でも深く。

          フォトグラファー&ブランディングコンサルタント・早坂華乃の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)

          自己肯定感をもたらしてくれた、あの"撮影"――カメラに興味を持たれたきっかけについて教えてください。 もともと、写真に今のような強い興味があったわけではありませんでした。自分が写る写真もあまり好きではなかったです。正直、自分の容姿に自信がなくて……。ところが、いくつかトリガーになった出来事があって、カメラにハマりました。一つは、大学時代の卒業旅行です。台湾に行った時にスタジオで写真を撮っていただいたのですが、とても素敵に撮影してもらえたんです。その時に、自分の外見について「

          フォトグラファー&ブランディングコンサルタント・早坂華乃の自分史|インタビュー(聞き手:ライター正木伸城)