山本七平賞2020奨励賞を受賞した近内悠太さんの「群像」エッセイの感想
哲学者や思想家について語っているときに年配の先輩方からよく「その人どこ大出身?」「どこで博士号とったの?」と聞かれる。僕にはそういうことを知ろうというマインドがないため、大抵、答えられない。何々学派とか系譜学みたいなものを見渡したいのだろうか。でも、それに答えられたことがあっても、その後の会話でそれがプラスになったことがあまりない。左派だとか京都学派だとかシカゴ学派だとかいう、出身校的なもの、「てめぇどこ中だコラ? あ?」的なものを僕は気にしない。ただ、目の前のテキストを吟味