えんた

教育心理学が専門の大学教員。博士(教育学)(早稲田大学)。現在,東京大学大学院教育学研…

えんた

教育心理学が専門の大学教員。博士(教育学)(早稲田大学)。現在,東京大学大学院教育学研究科(博士課程)在籍。公認心理師,学校心理士,教員専修免許等所持。著書(共著)『インクルーシブ教育で個性を育てる 脳科学を活かした授業改善のポイントと実践例』など。

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教育実習日誌の書き方

 こんにちは。大学で教育心理学を教えているえんたです。現任校では,心理学系講義の他に,中学校の国語教師になる課程(教職課程)を担当しています。  今回は,教育実習日誌の書き方についてお伝えします。大学で学生指導のために作成した資料も公開します。個人使用の範囲内で,ご自由にご利用ください。  さて,教師になるためには3〜4週間教育実習にいく必要があります。この実習先で毎日使うのが,教育実習日誌(教育実習ノートという呼び名の場合も)です。使用頻度がとても高い教育実習日誌ですが

    • 「デザインの学び」プログラム開発1年目終了

       こんにちは。大学教員をしているえんたです。専門は,教育心理学,学校心理学です。  現任校で展開されているプロジェクト1年目(2023年度)の成果報告がYoutubeにアップされたので,それについてつぶやきます。  ちなみに,これを作ってくれたのは,「デザインの学び」を主導する3名(須永,柿本,岡村)です。えんたは,動画制作を見守っている役だったことを付け加えておきます。 「デザインの学び」の開発  2023年度から,上田女子短期大学は三菱みらい育成財団から助成をいただき

      • 大学広報誌への寄稿文「ウェディングプロデュースを通して学ぶ未来を生きるための力」

         こんにちは。大学教員をしているえんたです。専門は,教育心理学・学校心理学です。今回は,大学広報誌へ文章を寄稿することになった件について,つぶやきます。 大学教員のお仕事  大学教員の主な仕事は,学生の教育と研究とされています。ですが,実際はそれだけではありません。多くの大学教員は,受験生獲得のため,広報活動も積極的に行っています。例えば,私の場合。オープンキャンパスの体験授業をしたり,市民講座の講師をしたり,大学の教職員,保護者に向けて講話をしたりしています。ありがたい

        • ”心のバトン”をわたすワークショップ

           ご覧くださりありがとうございます。教育心理学を専門とする大学教員,えんたです。昨年度に引き続き,大学の後援会総会にて講話する機会をいただきました。  昨年度は,親子の絆を深めるということがテーマの講話を行いましたが,今年度は,自分が大事にしていることに想いを馳せ,それを表現するワークショップを行ってみました。ワークショップを通して,次世代に“心のバトン”をわたすというのがねらいです。  ここでは,講話をする機会を得て私が考えたこと,行ったことを紹介します。コラムに寄った内容

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        教育実習日誌の書き方

          子どもと一緒に新幹線を作った話

           写真の新幹線を見てください。これは実家で息子と一緒に作ったものです。この記事は,あまりにも新幹線がいい出来(自画自賛)だったので,見てもらいたくて書きました。 息子のマイブーム  今,息子のブームは新幹線です。実家へ帰省する際に,いくつか新幹線に乗ったのですが,道中,とても楽しそうにしていました。 「ん!あはま,ちた!(ん!あさま,来た!)」 「びゅ~ん」(新幹線の速さを手を左右に滑らせて表現) 息子は,本で見ていた新幹線をたくさん見れて大興奮です。 息子と一緒にモノ

          子どもと一緒に新幹線を作った話

          新しい環境に身を置くことで見えてきたこと

          【ご連絡】この記事は,研究の色合いが強い内容かもしれません。新しい環境に身を置くことで見えてきたものについての概要が気になる方は,太字をお読みください。  私は現在,大学で心理学系の教員をしながら,東京大学大学院教育学研究科博士課程で主体的対話的で深い学びに関する研究を継続しています。簡単にいうと,これまでは,どうすれば主体的で対話的な学びが成立するのかについて協同学習という領域から研究をしてきました。現在は,どうすれば対話的で深い思考が成立するのかについて協同的探究学習※

          新しい環境に身を置くことで見えてきたこと

          生成AI”Notta”を活用した原稿の紹介

          所報に掲載された50周年を記念した対談  上田女子短期大学(通称,上女)は,2023年にめでたく50周年を迎えました。このお祝いムードの流れに乗って,学術研究所では学長との対談を行いました。ここでは,対談の文字起こし&全体把握に生成AIを使用した例をご紹介します。ご興味がありましたら,以下の原稿をクリックしてみてください。 2時間に及ぶ対談。限られた時間の中でどうまとめる!?  対談は2時間以上に及び,話題も多岐にわたりました。過去,現在,未来についての話,深いテーマ性

          生成AI”Notta”を活用した原稿の紹介

          授業で対話するのはなんのため?

           なぜか,”ある男”,”である調”になってしまいました。お気になさらず,読んで頂けたら幸いです。  この記録は,対話する土台を作ることについての研究に注力してきた男が,東京大学大学院教育学研究科で学ぶことを通して,その先にある大切なことに気づいたり,これまでの研究に,新たな視点を関連づけたりしていく話である。 ある男のこれまで  ある男のこれまでを簡単におさらいしておこう。男はこれまで,学校心理学という領域から,公立学校の授業をたくさん見てきた。その中で多かったのは,児

          授業で対話するのはなんのため?

          より良い親子関係をつくるヒケツ「親業」って?

          1.親業(訓練)とは  親業(訓練)とは,アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士(1918-2002)が開発したコミュニケーションプログラムのことです。このプログラムは,カウンセリング,学習・発達心理学,教育学などの研究成果を基礎に作られています。日本では,1979年に初めて講座が開かれ,これまでに延べ12万人以上が講座を受講しています。 2.親業訓練の歴史  以下の説明は,親業訓練協会のホームページサイトから引用したものです。当初,親業訓練は,非行少年などの治療のため

          より良い親子関係をつくるヒケツ「親業」って?

          東大大学院教育学研究科のとある初回講義

          東京大学大学院教育学研究科(博士課程)のとある科目の初回講義  「深い学び」とは何か?,教育心理学では,それをどのように研究するのかが紹介された。オリエンテーションの色合いが強かったが,教員の話から”ここでは,足りないところは自分で補っておく貪欲さが必須”と感じた。学びに飢えていた私としては,願ったり叶ったりである。きっと,ここで今の自分に必要なことが見つかる。そう感じた初回講義であった。 1.深い学びとは何か? ▶︎提示されたのは,やはりSawyer(2006)。  S

          東大大学院教育学研究科のとある初回講義

          心理学(基礎ゼミ)✖️「デザインの学び」#1

           上田女子短期大学総合文化学科では,基礎ゼミと卒業研究ゼミの2つがあります。1年生は基礎ゼミ,2年生は卒業研究ゼミが必修となっています。教員は,自らの専門性を活かして,この2つのゼミを運営しています。  これまで私は,基礎ゼミで心理学やグループアプローチ(例えば,構成的グループエンカウンターやプロジェクトアドベンチャーなど)を活用して,ゼミ運営をしてきました。しかし,大学教員になって4年目。ある想いが芽生えてきたのです。 時々,学生と噛み合わない感じがある。何かが足りないの

          心理学(基礎ゼミ)✖️「デザインの学び」#1

          「心理学✖️デザインの学び」春のオープンキャンパス

          2024年3月23日(土)春のオープンキャンパス  春のオープンキャンパスでは,高校生を対象に心理学の講義を行いました。テーマは,心理学でもポピュラーな「ストレスマネージメント(ストレスをコントロールする方法に関するもの)」です。これまでも,このテーマを扱った授業はしてきましたが,今回は,私なりに”ある”チャレンジをしています。ここでは,その成果を報告します。 私なりの”ある”チャレンジ  ”ある”チャレンジとは何か?それは,「あなたの感覚と心理学の理論が結びつく体験」を

          「心理学✖️デザインの学び」春のオープンキャンパス

          「博士論文の書き方」覚え書

          はじめに  博士論文執筆作業をふり返り,今後より良い論文を作るための自分なりの「博士論文の書き方」を記しておきます。  私は,早稲田大学大学院で博士論文を完成させるまでに多くの時間を費やしました。特に,仕事や子育てをしながら博士論文を書くというのは,私にとって本当に難しくて…様々な人の協力を得て書ききることができました。  恩師の本田恵子教授,妻と息子,両親,同期の塚原望先生からは,数えきれないほどの協力をいただきました。この場を借りて,皆様に感謝の意を伝えさせていただきま

          「博士論文の書き方」覚え書

          「デザインの学び」プログラム開発1年目を終えて

          パワーのある先生たちに引っ張ってもらって  三菱みらい育成財団の助成を得たチャレンジが1年目を終えました。思えば本当に濃い時間でした。大学での従来の学びを変えるためのチャレンジが,様々行われたからです。下の写真は「デザインの学び」プログラムの1つ。裏山の木を切り,製材し,2〜3年ほど乾燥させたのち,授業で家具作りやウッドデッキ製作に活用する試みです。写真を見るとわかるように,参加者は,実に様々でした。年齢層も,職業も異なる方が参加されました。活動前は,単に木を切るという活動

          「デザインの学び」プログラム開発1年目を終えて

          もうすぐ生成AI”Notta”を用いた文書が一般公開される。AIとの付き合い方を模索するためにも,これからもこのようなチャレンジを大切にしていきたい。

          もうすぐ生成AI”Notta”を用いた文書が一般公開される。AIとの付き合い方を模索するためにも,これからもこのようなチャレンジを大切にしていきたい。

          大学の学びに変化を! デザインの学びの開発

          こんにちは。かけだし教育心理学者の遠田です。 現在は,面白い人たちと大学の学びを変える試みにチャレンジしています。新しいことで,ワクワクドキドキしています。 1.三菱みらい育成財団2023年度助成事業専攻結果  助成事業に申請したプロジェクト名は,「デザインの学びの開発」:今日の大学教育の中心をなす「知る」学びと芸術やデザイン分野で培われた「行う(表現する)」学びを編み合わせる営み,です。私は,このプロジェクトに共同研究者として参加しています。1年目の私の役割は,心理学的

          大学の学びに変化を! デザインの学びの開発