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生成AI”Notta”を活用した原稿の紹介

所報に掲載された50周年を記念した対談

 上田女子短期大学(通称,上女)は,2023年にめでたく50周年を迎えました。このお祝いムードの流れに乗って,学術研究所では学長との対談を行いました。ここでは,対談の文字起こし&全体把握に生成AIを使用した例をご紹介します。ご興味がありましたら,以下の原稿をクリックしてみてください。

上記は,生成AIをCopilot(副操縦士)として活用した論文。活用部分は,文字起こしと要約部分。ちなみに,生成AIによって生成された要約箇所は,原稿作成時の参考にとどめ,実際の論文では,使用はしていない。

2時間に及ぶ対談。限られた時間の中でどうまとめる!?

 対談は2時間以上に及び,話題も多岐にわたりました。過去,現在,未来についての話,深いテーマ性を持った話,各分野の知見を統合する必要性に関する話まで,実に様々でした。話し合われたテーマは,これからの社会を生きる上でのヒントになるようなものが多く,非常に興味深いものでした。
 私の場合,このような対談をまとめる際は,全体像を把握するために全ての内容を文字に起こすことから始めます。ですが,当時の私は,その時間を捻出することができませんでした。限られた時間の中で2時間の対談をどうやってまとめよう…,短い時間で全体像を大まかにでも把握したい。そう考え,生成AIとの共同に踏み切ったのです。

2023年,生成AIの登場

 2023年は,生成AIのChatGPTが登場した年です。ChatGPTは,あっという間に世界中の人に認知され,活用されるようになりました。”誰でもAIが使える”という手軽さによって,ChatGPTが爆発的に広がっていったことを思い出します。
 この流れに,大学も研究者もすぐに飲み込まれました。大学では,生成AIの使用についてどのようにガイドラインを策定するのかが話し合われましたし,高い研究倫理観が求められる研究者もこのツールとどう付き合っていったら良いのかを改めて考えることとなりました。
 2024年4月現在,研究者が生成AIを使うことについては,Copilot(副操縦士)
という考え方に落ち着いています。主たる操縦士である人間がいて,AIはあくまでも副操縦士という関係性,私もこの関係性に賛成です。というのも私は,自分が何をしたいのか,どうしたいのかを持っていてこそ,AIを有効に活用できると考えているからです。

副操縦士として生成AI”Notta”を活用してみて

 今回の原稿は,研究者が生成AIを副操縦士として活用した試みです。「時間がない!」ということで,作業効率をアップしたいというのが始まりでしたが,この機会に,生成AIがどんなことができるのかを研究者として知っておきたいというのもありました。生成AI”Notta”は,文字起こしに加え要約文まで作成してくれました。私は,それらをみて,原稿のプロットを作成しました。作業効率は間違いなくアップしました。

〈作業の効率化〉
 文字起こし:手作業の場合4時間  ▶︎生成AIの場合10分
 要約文  :文字起こし後に作成 ▶︎要約と共に完成

おわりに

 実際に生成AIを使ってみると,作業効率が向上したことは確かでした。具体的には,文字起こしに要する時間は,手作業であれば4時間程度かかる分量のものが10分に短縮されました。また,手作業であれば,文字起こし後に要約文の作成となるところが,生成AIを活用すれば,文字起こしと同時に要約文が作成されました。これは大変助かりました。(要約の精度については,担当者の経歴が大きく変わっているなど気をつけるべき点は多々ありましたが,この要約文を呼び水に文章を推敲すると考えれば,生成AIは仕事を助けてくれたといえます。)
 これらの経験から,私としては,研究の色合いがそれほど強くないものにおいては,生成AIの使用をしてみても良いのではないかという見解に落ち着きました。生成AIを実際に活用してみるという機会は,とても貴重な経験となりました。改めて,研究者としてどのように生成AIとの付き合っていくかを考えるきっかけになりました。これについては,別の記事で作成をすることにします。
 ご覧くださりありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。

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