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大学広報誌への寄稿文「ウェディングプロデュースを通して学ぶ未来を生きるための力」

 こんにちは。大学教員をしているえんたです。専門は,教育心理学・学校心理学です。今回は,大学広報誌へ文章を寄稿することになった件について,つぶやきます。

大学教員のお仕事

 大学教員の主な仕事は,学生の教育と研究とされています。ですが,実際はそれだけではありません。多くの大学教員は,受験生獲得のため,広報活動も積極的に行っています。例えば,私の場合。オープンキャンパスの体験授業をしたり,市民講座の講師をしたり,大学の教職員,保護者に向けて講話をしたりしています。ありがたいことに,皆様からの肯定的な声を受けて,2023年度3月から2024年度6月は,毎月,学内外の方に向けて何かしら行っていました。

6月上旬:教職員,保護者に向けての講話
5月下旬:
入学を考えている高校生,保護者に向けての体験授業
5月下旬:
大学の教職員に向けてのワークショップ
4月下旬:入学を考えている高校生,保護者に向けての体験授業
3月下旬:入学を考えている高校生,保護者に向けての体験授業

大学広報誌への寄稿文執筆依頼

 今回の大学広報誌への寄稿も,大学教員の大切な仕事の1つです。今回は,一面に掲載されるということでしたので,科として頑張っている共同授業について,そして,そこで頑張っている学生たちについて紹介する文章を書いてみました。

ウェディングプロデュースを通して学ぶ 未来を生きるための力

 私は,心理学に関する講義をいくつか担当しつつ,ブライダルに関する講義にも顔を出させていただいております。今年度から私が参画しているのは,「ブライダルコーディネート」&「ウェディングプロデュース」です。この講義の目的は,体験・表現を通して,「なぜ結婚式を行うのか?」自分なりの考えを形作ることにあります。結婚式が題材になっていますが,社会に出た時にどこにおいても求められる力ー問題解決力ーが身に付くよう授業をデザインしています。
 実際の講義の一部を紹介します。講義の初回,学生は結婚式や卒業式,入学式といった儀式についての実体験を語るところからスタートしました。自分の興味・関心と紐づいたところから,結婚式の意味を深掘りし,仲間と共に結婚式を企画するという流れで学びが進みました。「そもそも,どうして結婚式ってあるのだろう?」,「このカップルはどんな結婚式を望んでいるんだろう?」学生は,都度生まれる問いに,仲間と共に考えることで,“自分たちで結婚式(儀式)の意味を深く理解”していきます。

自分が書いた内容を元に授業が進んでいく。学生は,内容が次第に関連づいていく様子を興味深そうに眺めていた。


これは,結婚式の流れを表現したもの。学生は,毛糸やカード,マスキングテープなど様々なモノを使って,結婚式の流れをまとめていった。そうそう。女子学生と関わって気づいたことがある。「カワイくできた」というのは学びに大切だということである。


 自分が表現したものを元に考えていけるのがミソなのでしょう。発言を求められた時には,どの学生も自分の言葉で考えたことや学んだことを語ることができます。この姿を見て,私は学生の成長を感じています。

7月13日に行われた「学びの展覧会」では,4チームが個性豊かなウェディングをプロデュースした。

 ちなみに,7月中旬に現任校で”学びの展覧会”という催しが行われました。この会は,学生の日頃の学びの成果を学内外に発表するものです。ウェディングプロデュースを受講している学生も,4つのチームに分かれて,学びの成果を発表しました。上記のチームは,「結婚式=幸せのバトンタッチのために行われるもの」という解釈をしたチームです。当日は,多くの観覧者が様々な質問をしてくださいましたが,学生は,結婚式の意味を正しく理解した上で,自分たちなりの解釈をしているので,どんな質問が来ても,自分たちの言葉で説明することができていました。

三銃士の授業

 ちなみに,この講義は,M先生(ブライダル),O先生(デザイン学),えんた(心理学)の3名で行われているものです。本学では,学生が色々な視点から考え,深く内容を学ぶことができるよう,共同授業に挑戦しています。
 広報誌に掲載する文章を作成するにあたって,学生に「ねえ,この授業どう?」と何気なく尋ねてみると,「楽しいよ。先生3人いるとか,最強じゃん。三銃士じゃん!」と言ってくれました。そう名づけた意味を尋ねると,それぞれの専門家がいい感じで協力して授業をしている,という意味とのこと。恥ずかしいけれど,うれしかったです。

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