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#26 なぜ仕事をするのか

ちょうど一年くらい前のある朝。

仕事に行く時に、長男に「行ってきます」と声をかけると、「パパ、何で仕事行くん?」と言われて悩んでしまった。

とりあえずその場は「地球の平和を守るためだよ!!」と返して出発したが、 頭の中はモヤモヤ。

そういえば、何で働いてるんだっけ?



結婚して、子どもができて、子育てするなら妻の実家の近くでと思い、教師を辞めることにした。

小さな町で、運良くみつけた今の仕事は、これまで一度もなりたいと思ったことはなかった。

妻と子どもと暮らしていけるお金が手に入るなら、どんな仕事でもよかった。



働き始めて3年も経つと、少しずつ周りが見えるようになってくる。

同時に、もっと組織を良くしたい、お客に対してもっと良いサービスを提供したいと思い始める。

ただ、組織は大きくなればなるほど、変化をさせることは難しい。

業務も分業制になり、隣の部署が何の仕事をしているのかもさっぱり分からない。

みんな、仕事を押し付けあったり、これ以上仕事量を増やさないように壁をつくることに必死になっている。

たしかに「やらないといけないこと」が多すぎて、そもそも「やりたいこと」に割く時間が少ないのもある。

でも、せっかく仕事を覚え始め、これから面白くなってくるところなのに、「もっとこうしよう!」「こんな未来をつくりたい!」と熱く働きたい自分にとっては、組織で働くことは向いてないのかもしれないと思い始めていた。

そんな時に息子に言われたのが、「何で仕事に行くん?」だった。



どちらが良いか悪いか、正しいか正しくないかの話をしているのではない。

どんな働き方も素晴らしくて、その仕事によって必ず誰かが助かっている。

だけど、自分で自分の仕事に誇りをもてなかったら意味が無いのではないか。

「家庭があるのに何を身勝手なことを言ってるんだ」と思われてしまうかもしれないが、僕の背中を見て、子どもに「仕事は食べていくためのもの」「仕事に我慢はつきもの」と思われるよりは、貧しくても、失敗しても、自分が熱くなれる仕事に挑戦したい。

その方がよっぽど健康的だし、精神的に豊かだと思う。



僕は本屋になりたい。

自分でお店を持ちたい。

失敗したら自分のせい。

上手くいけば、どこまででも転がって大きくなっていく。

組織にいれば、座っているだけでどんどん仕事が舞い込んでくるが、個人店では仕事をつくるところから始めなくてはいけない。

きっと大変だろうけど、面白そうだ。



お店を守るために四苦八苦する自分の姿を見た我が子たちが、「働くって楽しそう」と思ってもらえるように、そんな働き方に挑戦したい。


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