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国会のSC発言から不倫の相談先について考えてみた


こんにちは。豊かに学び豊かに暮らす【フリーランス心理士×SNS起業】臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士のまりぃです。

まだ若輩心理職で、臨床心理士試験・公認心理師試験のダブル受験生応援公式LINE臨床心理学専攻大学院受験・Gルート公認心理師自己研鑽専用公式LINEtwitterYouTubeの運営や,豊かに学び豊かに生きる臨床心理士のためのInstagram、最近ではSNS発信/起業のお手伝いなんかもやっています。

臨床心理士ってなんだろう?

1月30日、国会の質疑にての件。超ホットトピックですが,びっくりしましたよね。 
私もスクールカウンセラーをしておりますが,ううむ,ちょっとこれは悲しいな,と思う発言でした。
教員がカウンセリングをすると子どもたちの心理的安全性が守れないこと,そのための枠組み,そして実際スクールカウンセラーが子ども,保護者,教員,学校の役に立っているか,などの難しい話は偉い先生方にお任せしまして,このトピックと同時に私が考えていたことを今日は書きます。
それは,「臨床心理士ってなんだろう?」っていうこと。

不倫,浮気の相談はどこにする?


いきなり刺激的な小見出しですが。
例えば,あなたが既婚者との恋愛を繰り返す方だったとします。
今回もまた既婚者と恋に落ちて,相手の配偶者にはバレていないけど,いつもヒヤヒヤしているし,それにしたって恋人は自分だけのものにならないし,辛くてたまらない。
さて,ここで,あなたは「そうだ!病院に行って臨床心理士のカウンセリングを受けよう」と思うでしょうか?
……思わない,ですよね。多くの場合。
だって,そんな悩み,病院で話すことじゃない気がします。
じゃあ,開業臨床臨床心理士のところに行くかというと,そうでもないように思います(大体,ここで開業心理士/師を選んでくださる方は,元々のカウンセリングへの意識が高い方だと思います)
もし,行くとしたら,アメブロとかインスタで集客されている「不倫専門カウンセラー」みたいな人のところではないでしょうか。
あるいは,そう。
「この恋は,実りますか?」と占い師さんやスピリチュアルの方に聴きに行く。

もし,病院に行くとしたら,きっと「眠れない」とか「食事が喉を通らない」が主訴で,その改善のためにお薬が出たりして,それでも良くならない時にカウンセリングを勧められて,「実は……」ということになるかもしれない,そう思うのです。

クリーンな世界の住民


つまり,何が言いたいかというと。
臨床心理士は,スピリチュアルカウンセラーや占い師の方に比べて、やっぱり怖いのではないだろうか,ということ。
なぜ怖いのかと言うと「正しい」人だと思われているから、ではないでしょうか。
つまり、臨床心理士なんて、大学院まで修めた人たちです、きっと、きちんとしたクリーンな世界の,クリーンなカウンセラー(きちんと,とか、クリーンな、という言葉の定義は曖昧なままにしておきます),とイメージされているのではないでしょうか。
近年では,「子供を可愛いと思えない」とか「実の親が憎い」とか,そんな話を「カウンセリングでしても良い」ことが周知されてきたように思うのですが,それでもやっぱり話しにくい方も多いでしょう。

例えば私は,クライエントが「親が亡くなった」話をし始める時,悲しい話として受け取っているような表情をせずに,あえてフラットに聴きます。そして,クライエントの語りから,その方が「親が亡くなった」ことをどう捉えておられるか,本人であるかように体験し,その思いを受け取って必要に応じて返したり解釈したりします。こちらがフラットにしていないと,もしかしたら,表面上は社会通念上の礼儀として悲しんでいるように見えるクライエントでも,実は,本当は,「死んでくれて,嬉しい」と思っている、そのことを意識的/無意識に、隠していたり抑圧したりしている、その方の本当の表現が出せなくなってしまうからです。
でも,こちらがこのような聴き方をする職業の人だ,ということは,初めて相談しようとしている方はご存じないこと。だから「親が死んでくれて嬉しい」なんて、言いにくいですよね。

ましてや,不倫などの「一般的に悪とされること」は尚更。
クリーンな存在にはこんな「悪いこと」を話したら,「叱られそう」で怖いですよね。

だからここで,「不倫専門」と謳っていらっしゃるカウンセラーさんとか,詳細を話さずに「恋の悩み」として相談できる占い師さんが選択肢に上がるのではないだろうか,と思うのです。この方々は,怒らなさそうですから。

改めて臨床心理士ってなんだと思われてるんだろう?


でも,それでは勿体無い。私たちは,このような訓練を受けてきたのに,それが伝わっていなくて,ご相談先として選んでもらえないのは勿体無い,と思うのです。
これと同じことが,実は,「私たちの活用方法を知ってくれている」と思っていた社会全体にも,まだまだたくさんあるのではないか,と今回の国会での発言を聞いて思いました。

私たちは,学校で,何をしている存在だと思われているのか?
なんのために、スクールカウンセラーは雇われているのか?

私の場合ですが,私は,授業中子どもが廊下で暴れていても叱らないですし,授業中に外に出て草を摘んで手ですりつぶしていたら一緒にやってみたりするカウンセラーです。
で,子どもを教室に連れ戻しに来た先生が,「こら!汚い!手を洗いなさい」と子どもに叱った後で,私の手が緑色になっているのをみてギョッとする……ようなことがありました(守秘義務があるので事実そのままをここには書けませんから,これと似たような事象があっただけで,このことそのものがあったわけではありません)。
 この時,私は必ず,なぜ自分がそうしていたのか,心理学的な意味と,加えてその時の子供さんの様子に関する見立てを,先生方に丁寧に説明して納得していただくようにしています。

さて,このエピソード,「不倫の相談をしにくい」感じと似ていませんか?
不倫や、授業中に外に出て草をすり潰して遊んでいることは、どちらも、一般社会おいて(という書き方をしますが,実はそれぞれの個人にとって)「悪いこと」と定義されています。
だから、不倫をしている当人、授業に出ず暴れたい子ども、子供を学校に行かせなくても良いと思っている親………などは、クリーンな世界には相談しにくいわけです。
なぜって、クリーンな人達は、そんなこと分かってくれるはずもないから。
叱られたり説教されるだけで、きっと嫌な思いをするからです。

でも実は、私たち臨床心理士は、「絶対善」だと思われていることに対立することも,共有する存在です。
授業中に草をすりつぶして遊んでいることは,学校社会においては「悪いこと」なのですが,私たちはそれすら一旦共有します。そしてそこから,その子がどんな感覚で,気持ちで,それをしていたのか,考えることから始めますので,「こら,教室に戻りなさい」という普通の大人の反応をしないわけですね。
同様に,「不倫してるんです」と言われても,私たちは怒ったりしないんですけど,それはまだ周知されていないんだろうな,と思うのです。

このように,私たちは,学校で,先生方とは違う立ち位置で,先生方にとって「絶対善」であることを絶対善として共有せずにいるからこそ,子どもさん,保護者さん,そして時には先生方自身の役に立つ存在なのですが,これを説明せずにやっているとただの「変なやつ」になってしまい,なんなら先生方には仕事の邪魔と思われてしまいます。もちろん、先生方には「教育」という役割がありますし、そのこと自体、その専門性はリスペクトしています。だけど立ち位置が違う、だからこそ、そこにいる意義がある、それが私たちです。

この存在の必要性が,専門性が,まだまだ社会には伝わっていないのだろうな,と今回痛感しました。そこでこんな試みを始めました。

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まだ始めたてであまり充実していませんがこれから充実させていきますね。

引き続き,「相談先としての臨床心理士」について周知する活動もしたいし,今度ちょっと楽しくて有益な企画が持ち上がっているので,そちらも是非お楽しみに。

臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士のまりぃ

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