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長編小説

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初めての長編小説に挑みます。 愛されたくて、愛されなくて、それでもやっぱり親の愛が欲しい。私自身の話でもある大切な物語を書きます。 いつか必ず、本にしてみせます。 温かい目で見守… もっと読む
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長編小説3

長編小説3

 私には苦手なものなんてない。中学生の私は無敵だった。誰に媚びる必要もない。スポーツも勉強も友人関係も何一つ困ることはなかった。男子たちはみんな情けないし、先生は信用なんかできない。私は自分を一番信じてきた。

「トモちゃん、描くの早いよね」
「ヨリが遅いんだって」
「……やっぱり?トモちゃんの下絵は線に迷いなくていいよね」

 私なんてほら、と言って見せてきたヨリの下絵にはガタガタの鉛筆の線。何

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長編小説2.

長編小説2.

 私は悩んでいた。ホームルームが終わって何分経っているのだろうか。一枚の紙を目の前に、わざとらしく頭を抱えてみたりもした。ここが運命の別れ道。大げさでもなんでもなく中学生の私にとっては死活問題だった。

「あれ?ヨリ、まだ帰ってないの」
「まぁね」
「まだ決まんないの?」
「……まぁね」
「だから一緒のにしよって言ってんじゃん」
「だってさ、」

「無理だよ」と言葉を続けようとした時、彼女は「もぉ

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長編小説1.

長編小説1.

 小学生の頃の私にとって家族は決して温かい存在ではなかった。怖かった。特に父がこの世の誰よりも怖かった。父の言いなりの母も、父に可愛がられていた兄2人も、誰よりも近いはずの家族の心は誰よりも遠い場所にあった。というより、私だけが遠い場所に置いていかれたんだ。
 兄2人は欲しいものを何でも買って貰えていた。私に来るのはいつもそのお下がり。女の子らしいものを何も持っていなかった。リボンのついた髪留めも

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