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朝に本を読むと良いと思う理由

 中学生の頃、学校で「朝読書」という習慣がありました。8時15分になると突然クラシック音楽が鳴ります。

 音楽が鳴った時に「読書時間」が始まります。みんなおもむろに鞄の中から本を取り出して、いそいそと読み始めます。

 本を忘れる人もいて、その人は国語の教科書を読んでいました。毎回国語の教科書を読んでいる生徒もいて先生は頭を抱えていたことを覚えています(笑)

 後で聞いた話によると、この音楽が「条件付け」となっていて、それをきっかけに読書をするように先生が仕込んでいたのだといいます。習慣の力ですね。パブロフの犬です。条件反射でついつい本を開いてしまう。
 

 この取組が功を奏したかどうかはさだかではありませんが、僕は結構本を読むようになりました。未だに朝に本を読んでいます。電車の中でも、デスクの前でも、朝に時間を見つけては読むようにしています。

 朝に本を読むこと、つまり、言葉を自分に取り入れることはとても大切な習慣の一つだと思っています。飲食店などでも朝の仕込みが店の味を決める大切な作業でしょう。

 人間も仕込みが大切です。朝に言葉を仕込むことによって、その日の言葉が違ってきます。体に栄養を与えている人はたくさんいると思いますが、心に栄養を与えている人は少ないと思います。

 心は植物のようなものです。水を与えなければ枯れてしまいます。言葉は自身に潤いを与える大きな契機となります。

 テレビや新聞は「情報」といった側面が強いので、「心」という面から見るとやや朝には不向きだと思います。なんというか、塩分が強めなんですね。朝はもう少し爽やかにいきたいものです。

 また、本とは、結局は文字の羅列であり、その文体の妙味を引き出すのは自身の「読書行為」です。その意味で、読書とは作者との「対話」であり、「交流」でもあります。

 他人の言葉を借りながらも、自分自身の思考をそこで生成しているのですね。朝の時間にその思考を錬成しておけば、心がしっかりと立ち上がり、一日健やかに送ることができるはずです。

 毎日ジョギングで汗を流している人がいますが、あれと同じです。体に汗を流すのと同じように、心にも汗を流すのです。気持ちも晴れやかになって、知識もつきます。

 何の本を読むか、ということも大雪ですが各々好きな本を読むのが、本筋かなと思います。あまりメソッドに傾倒したものはかえって、せわしなくなってしまいますかね。やはり塩みが強いといえるかもしれません。

 そして、読んだ本の感想や実感や、それを元に考えたことなどを文章にしてnoteに投稿します。これは朝は時間が無いときは昼とか、家に帰ってからでもいいと思います。

 インプット→理解→アウトプット
 この流れに朝読書を組み込んであげれば、習慣の醸成、そして、知識・感性の拡充、またアウトプットによって知識を「自分の言葉に置き換える」訓練にもなります。一石二鳥です。

 本を読んで、作者との対話の中から生まれた自分の言葉を発信していく。朝に自分に養分を与え、育てていく。日々、そんなゲームに興じるのも悪くはないのではないかなと思っています。

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