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心を澄ませて見えた山

久しぶりに山に登る。
ゆっくりと踏みしめながら進むけれど、脈拍は上がり、気分よく汗ばむ。

草や木や土、土や落ち葉、苔や石。
目に映る山の造形は細かで複雑だ。

いったい葉は何枚あるのか。土は何粒、石は何個、草は何本なのだ。

高度な技術とか、いかなる資源を用いても、きっと山のわずか1㎥でさえ、人工的に再現するのは極めて難しいだろう。

繰り返しのない、不規則な細部が合わさって、それこそ無限に合わさって、目の前の光景が出来上がる。

けれどいつもさりげなく。
茂みや枝葉の先が、わさわさと風に吹かれている。

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