宇佐瑞奈(うさはるな)

京都

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最近の記事

映画 名探偵ポアロ ベネチアの亡霊

ミステリーの女王、アガサ・クリスティの 映画。水上の都市であるベネチアを舞台に ハロウィンパーティーの後に降霊会が開かれる。 降霊会が開かれたのは、子供の亡霊が出ると噂に なっている館。 主催者は元オペラ歌手で、亡くした最愛の娘 アリシアを降霊するためだった。 ポアロは霊媒師に懐疑的だが、招かれたベネチアの古い館で、巧みな演出なのか超常現象なのか。 ベネチアのハロウィンの降霊会の後に、招待客の1人が不可解な死を遂げる。 犯人は招待客の中にいる。天候が悪化し、館に閉じ込めらるな

    • 地球外生命体の映画 アステロイド・シティ

      時は1950年代。 舞台はアメリカ南西部の砂漠の街、アステロイド・シティ。 ここは紀元前3007年9月23日に隕石が落下してできた巨大なクレーターで観光名所となっている。 隕石が落下した日に、ジュニア宇宙科学賞の授賞式が催される。 5人の受賞者の一人である14歳のウッド・ロウの父は戦場カメラマン。 まだ幼い3人の妹、アンドロメダ、パンドラ、 カシオペアとともに、アステロイド・シティに 滞在する。 アステロイド・シティは砂漠の街で、撮影はスペインで行われた。 街も小道具もポップ

      • 映画 ウェルカムトゥ ダリ

        20世紀で最も偉大な芸術家の一人であるダリ。 柔らかい時計など、それまでの価値観や常識を覆す画期的な作品で人々の心を揺さぶり、人気と 名声を獲得した。また、独特の口ひげと奇抜な スタイル、数々の尊大な名言で、現代における インフルエンサーのような存在として、常に人々の注目を集めていた。 ダリはスペイン生まれ。10歳で修道会学校に 進み、芸術的感化を受ける。 17歳でマドリード王立美術学校に入学。 その後、イタリアの画家キリコの影響を受ける。 学生を扇動した理由で、1年間の停

        • 火と封蝋

          日本国の台風の行方を日々、気象予想図で確認する。琵琶湖花火が近づいて、台風直撃のところ 予想図からタイフーンがそれて、予定通りでした。誰かが台風をずらしたらしい。 Amazonで注文したタータンチェックのピクニックシートを水色のリュックに入れて琵琶湖へ。 フレッシュネスバーガーでガーデンバーガーと スプライトをテイクアウトで京阪電車に。 大津には仕事で通ったことがあり、湖岸沿いの ガチョウさんたちも知っている。 芝生にピクニックシートを広げると風がゆっくりと楕円を描きながら髪

        映画 名探偵ポアロ ベネチアの亡霊

          梵字ラテと豆本

          京都の東本願寺の前に、巨大なこけしが横たわっています。 こけしは、「京都のみなさん、こんにちは!」と 喋っています。 清水寺前のこけしを写真で観て木製と思い込んでいましたが、巨大なバルーンらしく、頭頂部から空気を注ぐようになっています。 こけしの黒髪は梵字(ぼんじ)に観えます。 頭頂部は、鳥紋にも観えます。 梵字は、古代インド語を表しています。 インドから中国を経て、日本に伝来した文字です。空海が梵語の経典を唐から持ち帰り、 漢字に翻訳されました。 その経典は豆本といえるほど

          神鹿の節分

          節分は立春の前日です。 旧暦の立春が新年であったため、その前日に 厄払いのために始まったのが由来です。 奈良の興福寺の節分へ。 節分の追儺会(ついなえ)の拝観に並び 興福寺に春の兆しがたゆたう。 興福寺の東金堂の扉が開陳されていて、 僧侶がお参りになられていました。 ほのぼのとした空間が甦りつつあり 鹿は自分が神鹿であることをよく悟っていて 節分の会場へ毅然と歩みます。 鹿煎餅をあげると、御利益がありそうです。  鹿の神道美術で、春日鹿曼荼羅図があります。本地垂迹思想によって

          猫猫寺

          京都の叡山電鉄で、いくつか駅を過ぎててくてく歩いてゆくとまぼろしの猫猫寺がありました。 猫を題材にしたアートギャラリーなのですが、 ムンクの雲が金糸のように描かれていたり 猫が魚のように、あるいは中世のヨーロッパの 宗教画にみられるフレスコ画の聖人のようであったりと猫が変幻自在に描かれています。 猫はサーカスの見世物になったりしませんが、 思慮深く、叡智に満ちています。 猫に、宇宙を観た?と聞くとうん、と頷いて 水星も、金星も、火星も、木星も、土星も、 天王星も、冥王星も!?

          菌神社

          琵琶湖の水の森の池に生息するパラグアイオニバ スの写真を映して琵琶湖の水域を探索すると、 乾燥させた蓮の花托(かたく)が蜂の巣のように陳列してありました。 ブンブンいう蜂の巣も撤去しなければいけないそうですが、蜂の巣もbiscuitのように食用になるし、宇宙食みたいで保存が効いて非常食になりそうです。 昆虫食というのが話題になりましたが、コオロギは食用といってもスナックとかナッツ類の位置づけにしかならないでしょう。香辛料のように コオロギ入りという表示がされたら一興です。

          賀茂の競べ馬

          賀茂の競べ馬は、立夏の日。 菖蒲の根で頓宮を葺き、白装束に菖蒲の根を纏います。 競べ馬たちは古式ゆかしい馬装で整えられます。 競べ馬では舞楽の装束で乗るのです。 天下泰平、五穀豊穣の祈願のための 平安時代の宮中行事が伝承されています。 賀茂の競べ馬を催すのに、荘園を寄進されたそうです。 競べ馬は競馬のサラブレッドの中でも清い馬が選定されますが、馬にも以心伝心で言葉が伝わるのです。駿馬が語りかけ、通り過ぎる瞬間にまなざしを定めています。 柏餅には太陽の記号が記されていました。

          節分詣

          京都の壬生寺(みぶでら)では、節分の日に 演じられるのが節分狂言です。 壬生狂言は円覚上人によって仏教をわかりやす く説くために創案された宗教劇です。 節分狂言は参詣者の厄除け、開運を祈願して 上演されます。 壬生寺の壬生狂言は、狂言の最初に炮烙 (ほうらく)という素焼きの土器を渦高く 重ねたものを割る炮烙割りがありますが、 節分の狂言ではそのお煎餅のような炮烙割は 演じられませんでした。 狂言の演目が節分で、門口に節分のひいらぎと 鰯を飾り、節分の儀

          湯立て神楽

          湯立て神楽は日本の伝統的な祭事です。 釜に薪の火で湯を沸かし、神さまをお迎え します。庭火を焚いている間に神前に供物や 榊、お米、お神酒を供えます。 祭場が庭火で和やかになり、神さまをお迎え する設えが整いました。 雅楽の奏上に4人の巫女による扇の舞の奉納と 鈴、榊、御幣での鈴の舞の奉納、続いて 祭場をお祓いします。 湯神楽の巫女が神前に進み塩皿を取り、 釜に塩を注ぎ、柄杓で天の水を大釜に 注ぐ所作をします。 次にお米を注ぎ、お神酒を注ぎます。 そし

          祀りと古文書

          京都御所のほど近くに、冷泉家の時雨亭文庫が あります。 表門には亀像の瓦が、狛犬のように阿吽 (あうん)の一対になっています。 京都御所の北方に位置しているため、 玄武神で守護されているのです。 阿吽は梵字の「ア ‐フーム」の音写です。 阿は最初の音声で、すべての字音は阿を 本源とし、吽は字音の終末として 阿吽で万物の始源の意味です。 冷泉家は藤原俊成、定家を始めとする 和歌の宗家です。藤原定家は新古今和歌集の 撰者として知られています。 歌会が行わ

          イチジクと青い髪

          稚児は筆を執ると、拙げに雨龍らしきものを 描きました。 稚児は幼龍を象り、雲を司りました。 神泉苑の鳥居をくぐり、鰐口を叩くと池の鯉が 水面に嬉しそうに浮かび上がりました。 神泉苑の鯉は神の使いといわれています。 池には善女龍王がお住まいになり、ひとびとの 安寧を願っておられます。 善女龍王は白い龍で、眼球は蹴鞠の4、5倍 くらいで、神泉苑の敷地を瞬く間に 旋回するくらい巨大な龍です。 最近の神泉苑の鯉は、少し不機嫌な宮廷女官 のようでした。 吉祥菓

          国家鎮護の仏教美術

          法隆寺の四天王像は7世紀の仏教美術で、現存する日本最古の四天王です。 金堂の須弥壇に配置されており、クスノキ材の一木造りです。 法隆寺の四天王は直線的で物静かな佇まいです。 古代の仏像のシルエットが直線的であるのは 神代の時代における降臨からの姿形をしのばせています。 裳は律令制の礼服です。 広目天は四天王の中でも特に本質を見極める目をしているとされ、 優れた観察眼で人間の行いを見守り、筆と巻物を持っています。 眉は細く、一筆書きのように描かれています。 頭

          オシリス神と円墳など

          ピラミッドは、クフ王のピラミッドがエジプトのシンボルですが、 ピラミッドは規則的な構造のピラミッドばかりではなく、なだらかな丸い ピラミッドや未完成のピラミッドもあります。 ピラミッドの階段も風化して砂に埋もれた階段がみつかったり、 回廊の修復をされたり、オシリス神がエジプトで風靡したり エジプトの神は緑色の肌で復活と豊穣を示す。 日本の古墳は前方後円墳ばかりではなく、円墳があったりします。 日本の古墳は緑が繁り、遠目からもこんもりと森になっているので、 古墳

          オシリス神と円墳など

          天狗と隕石

          能楽には、天狗の演目があります。 下記は、大会(だいえ)という能楽の演目の あらすじです。 比叡山中に、一人の僧がいました。 僧は日々、天台の教理を探究し、三昧の境地に て過ごしていました。 或る日、僧のところに一人の山伏が訪ねてきま した。 以前僧に命を助けられた者だと言い礼を述べ、 その恩返しとして、望みがあれば叶えようと 申し出ました。 僧は、釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で 法華経を説いたときの様子を見たいと 所望しました。 霊鷲山は、釈迦