節分詣
京都の壬生寺(みぶでら)では、節分の日に
演じられるのが節分狂言です。
壬生狂言は円覚上人によって仏教をわかりやす
く説くために創案された宗教劇です。
節分狂言は参詣者の厄除け、開運を祈願して
上演されます。
壬生寺の壬生狂言は、狂言の最初に炮烙
(ほうらく)という素焼きの土器を渦高く
重ねたものを割る炮烙割りがありますが、
節分の狂言ではそのお煎餅のような炮烙割は
演じられませんでした。
狂言の演目が節分で、門口に節分のひいらぎと
鰯を飾り、節分の儀が行われます。
節分の儀は立春の訪れを告げるように
まばゆいニュアンスが醸されました。
仏教のパントマイムは能と異なり
セリフがなく、舞台のはじめから終わりまで
緩慢に鉦が響いているのが特色です。
壬生さんのカンデンデン、と親しまれる
所以が伝わります。
能のように重々しくゆっくり舞台が移ろう
のではなく、着物姿にくっきりとした所作で
演じられ、頭部の装飾がオートクチュール
のようで気品が際立ちました。
鬼に豆を投げる場面は迫真に迫っていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?