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読みたいことを、書けばいい。【読書感想文】

こんにちは、まーくと申します。

本日は、最近読んだ本の紹介でもしてみようかな、と思います。


話題がブレブレなのはご愛敬です。(どうせ、読者の方は初見さんが多いと思いますし。)


本日紹介するのは、『読みたいことを、書けばいい。』という本です。

【目次】
はじめに 自分のために書くということ -書いたのに読んでもらえないあなたへ

序章 なんのために書いたか
付録1 田中泰延が書いた記事10選

第1章 なにを書くのか 〜ブログやSNSで書いているあなたへ〜
その1 文書と文章は違うことを知っておく
その2 ネットで読まれている文章の9割は「随筆」
その3 書く文章の「分野」を知っておく
その4 定義をはっきりさせよう
その5 ことばを疑うことから始める
文章術コラム❶ 広告の書き方

第2章 だれに書くのか 〜「読者を想定」しているあなたへ〜
その1 ターゲットなど想定しなくていい
その2 だれかがもう書いているなら読み手でいよう
その3 承認欲求を満たすのに「書く」は割に合わない
その4 何を書いたかよりも誰が書いたか
その5 他人の人生を生きてはいけない
文章術コラム❷ 履歴書の書き方

第3章 どう書くのか 〜「つまらない人間」のあなたへ
その1 つまらない人間とは「自分の内面を語る人」
その2 物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
その3 一次資料に当たる
その4 どこで調べるか
その5 巨人の肩に乗る
その6 感動が中心になければ書く意味がない
その7 思考の過程を披露する
その8 「起承転結」でいい
文章術コラム❸ 書くために読むといい本

第4章 なぜ書くのか 〜生き方を変えたいあなたへ〜
その1 書くことは世界を狭くすることだ
その2 貨幣と言語は同じもの
その3 書くことはたった一人のベンチャー起業
その4 文字がそこへ連れてゆく
その5 書くことは生き方の問題である
付録2 田中泰延について書かれた記事5選+おまけ

おわりに いつ書くのか。どこで書くのか。


『人生が変わるシンプルな文章術』なんていうサブタイトルが付いてますが、上の目次を見てもらえれば分かるように、テクニック論的な「文章術」というよりも、「文章を書く時の考え方」や「姿勢」について書かれている本だと思います。


本書冒頭の「はじめに」の部分で、すでに筆者は

本書は、世間によくある「文章テクニック本」ではない。わたしは、曲がりなりにも文章を書いて、お金をもらい、生活している。だが、そこに「テクニック」は必要ないのだ。(p.4)

と述べているくらいです。


また、「序章」でも、

この本の表紙には「文章術」と明記してある。しかし、書くためのテクニックを教えようというものではない。そうではなく、書くための考え方を示す本である。(p.15)

と述べられています。


本書は、「ジャーナリスト」や「小説家」のような文章を書くための人向けではなく、noteを書いている私のような「随筆」を書く人(本書では、そのような人を「ライター」と表現している。)に向けた内容になっています。


私も、noteを始めた頃にいくつか「文章術」や「ライティング術」のテクニック的な手法が書かれた本を買って読んでみたりしていましたが、正直、それら本とは毛色が違います。


タイトルの通り、「読みたいことを、書けばいい。」という趣旨の本なので、筆者の書きたいように書いてるんだな、と思える文体になっており、多少クセがあります。


「このギャグはすべっている」と批判してくる者もいる。しかし、すべるのがスキーだ。(p.114)

とか言ってのける筆者なので、正直言って好き嫌いは分かれるかもしれません。

たまに「何言ってんだ、この人」っていう感じになります。(失礼)


それでも、私としては、真面目一辺倒でお堅い文章を読まされるよりかは、ちょっとラフでユーモアのある筆者のような文章のほうが好きですね。

むしろ、内容うんぬんよりも、普通に言葉遣いが読んでいて面白いです。


しかし、その一方で、本書の内容そのものは文章を書く人間にとって「示唆に富んだ内容だな」と思いました。


また、第3章 その5 『巨人の肩に乗る』では、このような内容が記述されています。

 インターネット上では、恋愛に関する人間模様や、それに対するオピニオンを書いて多くのページビューを得る若いライターは多い。(中略)

 それ、夏目漱石が、百何十年も前にほとんどやっている。(p.175)


いや、なかなか辛口だな! と。

確かにそうかもしれないけど、それ言っちゃう!?

と、そんな感想が出るようなことをバンバン投げてくるのです。


夏目漱石が書いてるって言われちゃったら、書く気なくなるわーって思いますよね。

文豪相手じゃ無理ですよ。足元にも及ばんとです。


さらには、第2章 その2のタイトルのように、「だれかがもう書いているなら読み手でいよう」ということも言っています。

「自分が書く意味」というのを意識しなさい、ということも筆者は述べています。

「わたしが言いたいことを書いている人がいない。じゃあ、自分が書くしかない」(p.102-103)

本書の『読みたいことを、書けばいい』というタイトルは、この1文に集約されるかな、と思います。


もちろんこれ以外にも、文章を書く上での「考え方」について、色々と述べられています。



本書についてまとめると、文章を書く上でのテクニック論ではなく、それ以前の書き手としての「哲学」だったり「ポリシー」のようなものを教えてくれる1冊かな、と思います。


ブログやSNSでの発信者がどんどん増えてきているこの時代に、「自分が発信する」「自分が文章を書く」という意味について、再考できる本だな、と思いました。


もし気になったら、本屋などでチェックしてみてください。




そんな感じで、今回は私の記事にしてはちょっと珍しく(?)本の感想などを書いてみました。

また何か面白い本があれば、紹介してみようと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

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