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理解されたい気持ちと、理解されない辛さ


「病気の大変さや辛い気持ちを分かってもらえない」


そう感じた経験がある方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。


うつ病を含む精神疾患は目に見えて分かるわけではないため周りの理解を得ることが難しいように思います。

また精神的な病気は快復するまでに時間が掛かるため、その間様々な場所や人との間で”理解されない辛さ”を感じることがあるのではと思います。

私がうつ病になった時、できなくなったことや病気の辛さを他人に説明するのは一苦労でした。

数えきれないほどの症状が心身にあらわれ、その辛さは言葉で表現できないほど凄まじいものでした。

しかしながら、できない理由や病気の辛さもうつ病を経験したことがない相手には全く分かりません。

そんな相手の何気ない言葉に傷つくこともありました。

その度に病気の辛さを理解してもらえないと悲観的になることがありました。 

相手がうつ病に理解がないんだと思ったり、うつ病の自分が悪いと思うこともありましたが、なんだかどこか違うような気がしていました。

“理解されない辛さ“を感じる原因を私なりに考えてみました。

これは精神疾患に理解があるかないかとはまた違う観点になります。

あくまで私の経験からの話なので全て方のケースに当てはまるわけではないと思いますが、もし参考なったり考えるきっかけになれば幸いです。


固定観念

私がうつ病になる前、自分の中には”うつ病ってこういうもの”というぼやっとした「観念」のようなものがありました。

テレビや本を読んだり、周りの人から聞いて得た自分の知識と言ったらいいのでしょうか。

思い込み”とも言い換えることができますね。

うつ病=朝起きられない、家から出れない、いろいろやる気がなくなるなど

知人がうつ病を患った時、自分の中の「観念」を通してその人を見ていたように思います。

そのため病気がどんな辛さなのか、どういうことができないのか相手を知るために”話を聴く”という発想に立つことがありませんでした。

こうした「固定観念」があるとなかなか相手の気持ちや状況を想像したり思いやることが難しいように思います。

実際自分自身うつ病を患った時、病気になる前の自分が思っていた”うつってこういうもの”とは大分違っていました。


承認欲求

心が弱っていたり、辛い、しんどい、苦しい時ほど”この辛さを誰かに分かって欲しい”と思う気持ちが一層強くなるように思います。

心理学的には「承認欲求」と言うそうで、自分の気持ちを相手に分かってもらう(共感してもらう)ことで、はじめてほっと安心した気持ちを感じるそうです。

自分自身うつ病を患い苦しんだ時、自分の心の中に病気の大変さや辛さを誰かに分かってほしいという気持ちがあることに気付きました。

特に相手に理解してもらえないことで苦しくなった時は自分の心の中がそんな気持ちで溢れ返っていました。

当時相手も精一杯の言葉をかけてくれたのだと思います。

しかしこの”分かって欲しい気持ち”が大きければ大きいほど、現実への憤慨や葛藤も大きくなり心が苦しくなってしまうのではないかと思います。


上記に書いたように、理解されない辛さを感じる原因として

①固定観念

②承認欲求

があるように思いました。


これらは程度は違えど自分をはじめ人それぞれの中にあると思います。 

自分の承認欲求が大きすぎる、もしくは相手側に強い固定観念や承認欲求があったりすると、自分の欲求が満たされず「理解してもらえない辛さ」を感じるのではないかと思います。
 

もし理解されないことで苦しくなってしまったら、自分の中の分かって欲しい気持ちに”気づく”(自分自身でそういう気持ちがあることを理解する)とその気持ちが少し小さくような気がします。


おわりに

「誰かに理解してほしい」

その気持ちは多くの人の心にあるものだし、あって自然なのだと思います。

しかしながら現実は理解されないと感じることの方が圧倒的に多かったりします。

理解されないことで苦しくなった時は、相手や自分を責めるよりもズレが生じる原因を考えてみると案外自分の“分かって欲しい気持ち“に諦めがついたりします。 

相手が良いか悪いかとか精神疾患に理解があるかないかはあまり関係ないのかもしれません。

うつ病の症状がほとんど出ていない今、当時感じた病気の大変さや気持ちは両親をはじめ友達や周りの人には特に話していません。

“うつ病になって大変だった”くらいの大まかな話はしますが、それくらいです。

たぶん自分でも自分自身の気持ちについて理解するのが物凄く大変だということを痛感したため、誰かに分かって欲しいという気持ちが自然と小さくなったのだと思います。

精神疾患を理解してもらえなくて辛い、苦しいと感じている人に向けて、“こんな風にちょっと見方を変えて工夫して過ごしている人もいるよ“という希望とメッセージを込めて今回の記事を書いてみました。

読みづらい箇所があったらすみません。


長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。



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