こうしてピアノの沼にはまっていく

芸術の秋です。ピアノの練習を欠かさず続けています。最近満を持してよりレッスンの時間が取れる友人のところに通うようになりました。同い年の友人に習うのは恥ずかしいと思っていましたが熱心に誘ってくれるので勇気を出していき始めて新たな境地が開けたように思います。ちっぽけな虚栄心、羞恥心などさっさとお別れしてよかったです。

元々はピアノ好きの娘を連れて渡米したことから私もピアノに向かうようになりました。駐在生活の子どもが学校に行っている間に家にある楽譜を開いては好きな曲を練習したり、ピアノサークルのコンサートを聴きに行ったりしていました。

そのサークルを立ち上げた日本人女性にレッスンを受けることを勧められていましたが大人になってからでは遅いような、自分の趣味にお金をかけることがもったいないような気がしていました。

ほどなくして帰国して、またピアノ好きな友人ができ、子どものことが一段落したらレッスンを受けようと思っているという話を聞きました。そして私の方が先にチャンスが巡ってきて大人のピアノレッスンに通い始めたというわけです。

先日までついていた先生のもとでハノンとツェルニーとともに教わった曲はベートーベンの月光1楽章、悲愴2楽章、ショパンのワルツ3番7番10番、ドビュッシーの「月の光」です。どの曲も有名なので皆さんもご存じなものばかりと思います。ペダルの使い方も初歩から教わりました。

新しい先生のところではバッハのインベンションの1番とショパンのノクターンの1番を教わっています。レッスン時間が45分から1時間に伸びたことでたっぷり習えるので満足感が違います。特にバッハのインベンションはずっと独学で弾いていたので、先生に教わるとここまで変わるのかと自分でも驚くほどです。

音の濁りは指摘されるまで自分では気づかなかったし、淡々とした曲のようで盛り上がるところはしっかりあることもわかり、何より1音1音を丁寧に弾くこと、聴くことを意識するようになりました。また装飾音の入れ方やリズムの間違っていたところもありました。

バッハのインベンションを小学生でピアノの発表会で弾いたという同級生は、ピアノの先生にその曲をいただいたときに地味でお友達のように華やかなソナチネが弾きたかったことを述懐していました。あの頃はバッハの良さがわからなかった、と。

いつぞや松任谷由実さんの特集の番組で、ユーミンさんは中高生のころバッハのオルガン曲を聴いてインスパイアされ作曲したと聞いたこともあります。その感性の早熟さ、天才ぶりには舌を巻きました。

ショパンのノクターンは片手の譜読みから指導していただいて、片手の段階から強弱などの指示を細かく読み取ることに挑戦しています。この曲は秋にはぴったりの大人にふさわしい曲なのでじっくり弾き込みたいと思います。

どちらにも共通していることはゆっくり練習すること。今は音楽を手軽に聴けるのでついプロの演奏に近づきたくて速く弾きたくなるのですがこれが下手になる秘訣のようです。音楽やピアノに詳しい人なら当然のことでしょうけどゆっくり丁寧に、を心がけています。

ご注意だけではなくほめていただけることもいくつかあります。「月の光」は温かい音色で指の力もよく抜けていると言ってくださり、励みになりました。今度はサントリーホールにコンサートを聴きにご一緒することになりそれも楽しみです。

長くなりましたが55歳になってもこのように学び続けることができることをお伝えしたく書いてみました。人恋しいときにもピアノに語り掛けるような、そんな気分の時もあります。今や私の心の友のようになりました。

今日は金曜日、台風が近づいているようです。無事な日でありますように。

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