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わかったふりをしないのがいい

朝から男子のハードル競技を見ていた。高いハードルが10個並んでいるのを全力で越えて走る選手たち。日本人も二人出ていた。最初に走った日本人選手は素晴らしいスタートダッシュを見せ並みいる海外人を差し置いてトップで越えていく。と思ったら中ほどのハードルに足がかかったのかもつれて転倒。5年間練習してきてどのような思いだっただろう。ほかの選手の倍くらいの時間をかけてゴール。

解説者がよかった。

アナウンサー「選手の気持ちはどうでしょう?」

解説者「本人にしかわかりませんね。」

本当にその通りなのです。きっとこうだろうと適当なことを言わないところがとてもよかった。

私たちはそんなに簡単に自分のことを分かってほしくないのです。一人一人全然違う立場や状況や人生の中にいて、そんなにたやすく他人にまるっとわかられては困ります。オリンピック選手のように特別な才能があるわけではなくても、それぞれが少しずつ傷ついたり悩んだりしていて、それをもし人に話すことがあったとしても簡単に「わかる~」と言われるとちょっと面白くなかったりします。

たぶん少しべったり近すぎないところから察してほしい。そして出来たらちょっと寄り添おうとしてほしい。そんなわがままな生き物が人間というものかなあと思います。あなたのことなら何でもわかるわ、などというのはとても傲慢で反発したくなります。

友だちのことも家族のことも、よくわからないなあとこの頃思うことがよくあります。この人はこんな人だとレッテルを貼ってみたり、仕事やパートナーの悪口を真に受けてみたりしたことがそんな単純なものじゃなかった、人間の心理ってなんて複雑なのでしょう。

離婚寸前のように言っていた友人が病気になってから旦那さんに誠心誠意看病してもらっていて心からよかったと思うこともありました。仕事や課題の文句ばっかり言っていた家族がまたやる気を取り戻して歩きだしてやれやれと思うこともありました。

全部本人にしかわからないこと。周りの人間は勝手にこうだろうと決めたり深読みせずに一歩下がって本人をリスペストするのがステキだと思います。オリンピック解説を聞いて感じたことを書いてみました。

来週からオリンピックロスになりそうな予感の熱い夏です。皆様も熱中症と感染症にお気をつけて良い一日をお過ごしください。

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