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50年もアメリカ人を勘違いしていた

朝ドラ「カムカムエブリバディ」は評判がよく、ご覧になっている方もいらっしゃるかと思う。安子という主人公が進駐軍の将校、ロバート ローズウッドとアメリカについて行ってしまったのだが、出会いの初めの方で

「ロバートと呼んでください」

と距離を縮めるように言うシーンがあった。そう、私も長年アメリカ人は苗字ではなく下の名前で呼び合うものだと思い込んでいた、先生以外には。

中学一年生から学校で英語を勉強し、何の因果か2回のアメリカ生活を経験して自分はそれなりにアメリカを理解してきたと思っていた。ところが昨日は思い切り恥じ入ることがあった。この話はいつもの無駄話と違ってもしかしたらいつかどこかでこの記事を読んでくださった方の役に立つかもしれないと思うので書くことにした。

昨日は国際結婚をしているとも子さんと久しぶりに電話で話した。

とも子さん「実はね、いま子どものナタリのところにボーイフレンドが遊びに来てるのよ」

私「まあ、それはいいニュースじゃない?どんな方?」←興味津々

とも子さん「それがね、日本人なのよ。」

私「素敵じゃない?ナタリちゃんは日本語学校もちゃんと行ってたからよかったわね」

とも子さん「それがね、the 日本人で、英語はあまり話さないのよ。まずびっくりしたのがね、主人に初対面であいさつするときに Hi John!っていうのよ!」

私(いつも私ジョンさんって呼んでるけど)

とも子さん「友達の親に下のなまえで呼びかけるなんて、小さい子どもですらしないわよね。MR Smithっていうべきじゃない?」

(わあ、うちの子たちはみんな私の友達のことを私が呼ぶのと同じように下の名前で呼んでいたわ。私がそれでいいと思っていたから。)

焦る焦る。子どもたちにローレンにもダニエルにもこれまで苗字で呼ばせたことなんてなかった。アメリカ人はフレンドリーな人たちで、アメリカに住む日本人同士ですら下の名前で呼び合わないとよそよそしい人と思われてしまう。と思っていたがその先にある最低限のマナーを知らなかった。

日本語には敬語があって、民族としても礼儀正しく堅苦しい気質というイメージがあるのと同じくらいアメリカ人は豪快で開放的だと思われがちかもしれない。でも私はアメリカで親が子どもを大きな声で怒っているところを見たことがない。常に静かに言い聞かせている印象だ。

2,3歳だったローレンの子どもにローレンが私のことをMrs.山田と呼ぶのよ、と言い聞かせていたシーンがよみがえる。そんな堅苦しいことを言わなくてもYokoで良いのに、なんて思っていたのだ。アメリカ人を見誤っていたとしか言えない。(ここに出てくる名前はすべて仮名です)

ちなみにこの話を外資系の会社に勤める娘にしたが、

「え、ローレンじゃダメなの?」

という反応。英語で仕事をしているのにボスのこともファーストネームで呼んでいるから意外と本当の礼儀は知らなかった。笑うに笑えないアメリカ豆知識、恋の行方を左右するかもしれない。ナタリちゃんの彼に幸い多いことを祈りつつ。

さあ今日も一日気持ちよく過ごせますように。

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