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素敵なお母さん~『帰ってきた空飛び猫』(アーシュラ・K・ル・グウィン)~

『空飛び猫』の続編です。空飛び猫四きょうだいのうち2匹が里帰りし、妹とお母さんに出会う話です。

↑文庫版


今巻で印象的だったのは、お母さん。前巻でも、子どもたちの負担にならないよう、「お母さんはここを出ていきたいとは思いません」と言って、子どもたちを送り出しましたが、今巻でも「この子(ジェーン)がお前たちと一緒に自由に空を飛びまわっている夢でも見るわ。それが私にとっての幸福というものなのよ」と言って、改めて子どもたちを送り出します。何てしっかり子離れのできた、素敵なお母さん!


村上春樹の「あとがき」も良かったです。

ファンタジーというものはとても個人的なものなのです。それはあなた一人に向かって開いたり閉じたりする窓なのです。(中略)もしなにかのファンタジーがあなたに対してとても強く「はたらいた」としたら、それは誰がなんといおうとあなたのためのファンタジーなのです。

p.92

『ゲド戦記』も『指輪物語』も「ナルニア国物語」シリーズも、私のためのファンタジーなのだなぁと、改めて思いました。


続編も楽しみです。


見出し画像には「みんなのフォトギャラリー」から、ジェーンにちなんで黒猫ちゃんの写真を使わせていただきました。


↑文庫版



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