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ダンゴムシ
2022年3月26日 20:58
頭の上から、何かが落ちてきた。それはつむじにフワリと着地したかと思えば、脳内いっぱいに広がる。「なるほど、そうか」口からこぼれ落ちたその一言は、確かな感触をもって空中に漂ったかと思うと、次の瞬間には綿あめのような淡い甘さとなって消えていく。僕はメモを取り出す。まだ、間に合う。まだその尻尾を舌先にとらえている。こういうのはスピードが命なのだ。僕はそいつの尻尾をペン先に引っ掛けて、紙
2021年3月29日 13:34
あの子、かわいくない?あの子、かわいいな。あの子、かわいいんだよね。あの子は、その都度変わっている。その文に込められている意味に、大差はない。*一か月後。あの子、こんな所がかわいくて、、、、あの子、ちょっとした仕草がかわいくて、、、あの子、やっぱりかわいいんだけど、、、あの子は、その都度変わっている。その文に込められている意味に、大差はない。*一年後
2021年3月23日 23:59
「霊たちが、私に悪さをするのよ。」大学のサークルにそんなことをいう女の子がいた。彼女は僕と同期であったが、彼女があまりサークルに顔を出さないということもあって、彼女と言葉を交わした記憶はほとんどない。それでも僕は彼女のことが少し気になっていた。それは、異性として関心があるとかそういうのではなくて、彼女の言動に含まれている違和感がなぜか僕をひきつけたのだ。まわりの友人たちは、彼女を「ちょっと変わ
2021年3月17日 23:47
禁欲とは、自分の中にある肉欲との絶え間ない戦いの別名だ。一方で、僕の友達で、そんな禁欲をあまりにも軽やかに、涼しい顔でしている奴がいた。彼は、まるでファッションみたいに禁欲していた。僕には、彼のその生活が、なんとも美しく見えた。ちなみに彼は、クリスチャンだった。僕の友達に、おじいちゃんの代から三代クリスチャンである友達がいた。彼も勿論、自分自身をクリスチャンだと自認している。日本では