「サバラン」を探して。
サバラン。
ブリオッシュに洋酒(ラム)の効いたシロップが含ませてあって、しっとりじっとりおフランス生まれの大人の食べ物。
香る洋酒、ジュワっと染み出るシロップ、一気に頬張りたい。
ああ、今書きながらも口のなか、鼻の奥に、シロップの香りを感じる。食べたい・・。
これにハマっていた時期がありまして。
それは中学生のころ。
知らなかったんです、お酒が使われているなんて。
口にするころには、お酒の風味はいい感じに飛んでいて生地にフワッと残る香りのみ。
田舎のスーパーの一角にある焼きたてベーカリーコーナーにひっそりと置いてあったのですよ。
それが好きでね。
最近あの味を思い出して、懐かしいな、また食べたいなって。
街中のパン屋さんを巡りましたよ。
けれど、見当たらない。
なぜ?
今日日サバランはもう絶滅したの?
悲しい、とても。
なんて思いながら友人に尋ねてみたところ、ひとこと。
「サバランはパン屋じゃなくて、ケーキ屋さんでしょ」
え⁉そうなの。
思わず声が出る。
スーパーの「ベーカリーコーナー」で買っていたから、てっきりパン屋にあるものかと思い込んでいた。
これはこれは先入観。
無事に、ケーキ屋さんで見つけましたよ。
けどね、こんなにオシャレでなくていい、あのパン屋で作った「雑な感じの」サバランが好きなのよ。
不格好でいい、ラム酒が効きすぎてていい、レーズンが入っていたらクリームなんていらない。
そんな「パン屋さんのサバラン」
もう一度出会いたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?