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ふわふわ会計 ⑤会計の前提(3)

会計の基本的前提

今回は、会計の前提(1)(2)に続き、3つ目の確認をしていきたいと思います。
会計を行っていく上では、基本的前提が3つあります。
基本的な前提を、一般的に会計公準と呼びます。
会計基準とよく似ていますが、「基準」ではなく「公準」になります。
公準の言葉の意味を確認しておきましょう。

デジタル大辞泉の公準の意味からも、会計公準とは会計の理論として、基本的な前提を意味することになりますね。

会計公準には3つの公準があります。

  1. 企業実体の公準

  2. 継続企業の公準

  3. 貨幣的評価の公準

既に会計を学んでおられる方には大変有名な公準です。
会計公準について検索すると解説ページが山のように出てきますので、ご存じの方も多いと思います。

基本的な前提は、無意識の中にある

3つの会計公準は、会計業務を行う際の基本的前提になります。
前提は、常に意識しているというより、普段はあたり前の感覚として捉えており、意識することが少ない印象があります。
しかし、この普段無意識であることを、いったん意識してみることで会計の理解が深まると考えました。

今回のテーマ

今回は、3つの会計公準のうち、3番目の貨幣的評価の公準について確認をしていきます。
ふわふわ会計では、会計を初めて学ぶ方へ、貨幣的評価の公準について簡単に説明しながら、貨幣的評価の公準の本質的な部分を確認していきたいと考えています。

貨幣的評価の公準とは、会計を行うにあたって、貨幣単位を測定の尺度として用いて、企業の経済活動による財産の変動を貨幣の単位で記録し、測定し、報告していくという前提になります。
端的に表現すると、会計はお金で計算して、金額で報告するということです。

会社や法人の決算書が金額で記載されていることは、当たり前のことになっていて、何の疑問も持たないことの方が多いのではないでしょうか。
会計を、金額を基に進めていくという当たり前のことも、会計を行う上での前提の1つになっています。

経済活動に纏わる数字

会社や法人の経済活動に伴って出てくる数字は金額だけでしょうか。
例えば、商品を売る場合の販売数、サービスを提供する場合の提供数や提供人数、職員の数、電気や水道の使用量など様々な数字が見えてきます。

ただし、これらの数字を会計で用いるとなると悩ましい問題が出てきます。
収益(売上)は、商品の販売数、費用は、職員数と電気使用量で表しますと、差し引きの利益は、何で表せばいいでしょうか。もし、商品の販売数で表すとしても、どのような数になるかさっぱり分かりません。

売上15個ー費用(人件費6人+電気代24kWh)=答えが導き出せません。
計算式で、単位が統一されていることの大切さを感じます。

お金の良いところ

上の式の単位をお金に統一すると、計算が可能になってきます。

売上 15000円ー費用(人件費10000円+電気代1500円)
=利益3500円と計算することができます。

お金は様々な経済活動を同じ単位で測定できる機能を持っていると言えますね。

また、お金以外の数字は、会社の事業の内容や形態によって、どのような数字が用いられるのかでも異なります。何個や何人で測る会社もあれば、何トンという単位で測る会社もあるでしょう。そのようにしますと、会社同士、企業間で比較することも難しくなります。

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