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【趣味コン④】 転んでも、ただでは起きない女たち

趣味コンはどのグループもたいして盛り上がっていなかったのに、終了後、男性陣が声をかけあって、二次会(昼食)にいくことになった。
男はほぼ全員参加し、女は私とMちゃん含め4名。
「これから用事があるので」と、引きつった表情で断り去っていく女性メンバーの後ろ姿を見届けながら「私も断りたい」と思った。
しかし、前出のSくんとまだLINE交換していなかったし、ここで2名抜けたら目もあてられない状況になるだろう。

趣味コンの二次会は盛り上がらない」と、趣味コン経験者のMちゃんは言う。
共通点の少ない初対面の男女が唐突に同じ席につき、全員が楽しめる話題を見つけ、かつスムーズに話のバトンを回していくなんて芸当、バラエティ番組の司会者でない限りそうそうできるものではない。
それでも話を拾い、広げ、つなげる努力は止めなかった私たちは、空回りしてたかもしれないけど、がんばったと思うよ。でも・・・、
つまんなかったなぁ(涙)

解散してから、Mちゃんとカフェに入ると、どっと疲労を感じた。
「あんなんで大丈夫なの?」
私は自分のことを棚にあげ、男性陣の今後を心配していた。

私にとって“女の敵”とは、上手に期待だけさせてヤリ逃げする男だという考えは変わらないけれど、彼らのような場の空気にコミットしない羊タイプも、「男がリードすべき」という通念の強い社会のなかでは、きっつい存在だ。

ふと、私とMちゃんのスマホにLINEが入った。
見ると、男性陣のうちの一人から、食事の誘いだった。
「いいぞ、その積極性!」
私はすっかり母親目線で激励した。しかし・・・

私とMちゃんそれぞれのスマホには、まったく同じ文言が並んでいた。
「コピペかよ・・・」
「私たちがまだ一緒にいる可能性を考えられないのか」

いろいろと残念である。
こうして宇宙コンは、もともとわずかだった期待値を、さらに下回る結果を残して幕を閉じた。


ーー このまま帰るのもだった。
私たちはなんとなく趣味コンのサイトを開き、今日これから始まる企画を探し出した。

そう、ハシゴすることにしたのだ。

私がアラフォーなばかりに、年齢制限ではじかれるものも多かったが、運よく夕方から始まる「人狼ゲーム」の趣味コンに申し込むことができた。
もう出会いは期待していない。純粋にゲームで気張らしをして帰りたかった。

会場に到着し、席についた20名ほどのメンバーを見渡す。
デブ・ちび・ハゲ」と、Mちゃんが常々言っているNG3条件に該当する人もいたが、オタクばかりと覚悟していたわりには、普通の人たちだった。

一人の女性に目が止まった。
「あれ? どこかで・・・」
なんと、宇宙コンの二次会を断ったあの女性が、混ざっていた。
向こうはこちらに気づいていない。


<つづく>
※このnoteに書いていることはすべて実話です。

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